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中東全域・北朝鮮へと拡大するブッシュ戦争  ネオコンの合言葉は第4次世界大戦 (山根克也)
http://www.asyura2.com/0502/war66/msg/240.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 1 月 19 日 03:51:27:ogcGl0q1DMbpk

(回答先: ライス氏、国際協調を重視 国務長官就任へ公聴会(asahi.com) 投稿者 いやはや 日時 2005 年 1 月 19 日 01:58:34)


  日本は米国からの「独立」を決断するべきだ

中東全域・北朝鮮へと拡大するブッシュ戦争

  ネオコンの合言葉は第4次世界大戦

山根克也

http://www.bund.org/opinion/20050101-2.htm

 本年1月正式に発足する2期ブッシュ政権は、さらなる戦争拡大に突き進もうとしている。ブッシュ再選で勢いを増すネオコン勢力は、イランやシリア、北朝鮮に対する先制攻撃を公言し、「第4次世界大戦」(彼らは米ソ冷戦を第3次世界大戦と総括している)といった言い方すらしはじめている。イラク戦争では10万人以上の人々が殺された。第4次世界大戦開戦などということになれば、それを数十倍する人々が殺される。

 21世紀の世界は、資源枯渇、地球環境破壊、温暖化による自然災害の激増といった、早急に解決しなければならない難題を抱えている。ネオコン・ブッシュによる第4次世界大戦突入を阻止できなければ、人類文明は滅亡の危機に直面する以外ない。本2005年、人類文明存続をかけた反戦闘争に、渾身の力を振り絞ってたちあがろう。

Ⅰ、メジャー、中東石油独占の野望

①2期ブッシュ政権はネオコン政権

 2期目のブッシュ政権は、ネオコンに完全に掌握された「ネオコン政権」となる。ネオコンの単独行動主義にブレーキをかけてきた「国際協調派」のパウエル国務長官やアーミテージ国務副長官が辞任する一方、アメリカの言いなりにならないフランスやドイツを「古いヨーロッパ」と罵倒した米軍需産業の代弁者・ラムズフェルド国防長官の留任が決定。同じくネオコンの代表格ウォルフォウィッツ国防副長官の政権残留も確実視されている。

 パウエルの後任には、これまた強硬派のライス大統領補佐官が決まり、アーミテージの後任にはボルトン元国務次官が就任するとみられる。イラク攻撃に反対した仏独露に対して、「フランスを罰し、ドイツは無視し、ロシアは許す」と傲慢にも言い放ったライス発言は記憶に新しい。ボルトンは、2003年2月イスラエル訪問時にイスラエル首相シャロンに、「バグダッドを陥落させたら次はイランと北朝鮮を片づける」と公言した人物で、小型兵器や生物化学兵器を規制する国際条約をことごとく拒否したことから「国際条約の破壊者」という別名をもつネオコンの急先鋒だ。

 2期ブッシュ政権を制圧したネオコン勢力の合言葉は「第4次世界大戦」。大統領選目前の昨年10月、首都ワシントンで「第4次世界大戦 われわれはなぜ戦うのか?誰に対して戦うのか? いかに戦うのか?」と題したネオコン勢力によるシンポジウムが開催された。ウォルフォウィッツ国防副長官ら政権関係者も出席している。

 このシンポで、米国防政策委員会の重要メンバーでクリントン政権のCIA長官ジェームズ・ウールジーは、「イランの宗教指導者、イラク・シリア両国のバース党、アルカイダなどからなるイスラム・ファシズムに対する戦争こそが、第4次世界大戦だ」と発言。ネオコンの軍事理論家ノーマン・ポトレッツも、「イランこそブッシュ政権2期目のわれわれの攻撃目標である」と宣言した。

 11月5日、『ナショナルレビュー・オンライン』誌に「世界的視座から見た価値」と題されたフランク・ガフニー執筆の論文が発表された。ガフニーは、ネオコンのシンクタンク「米国新世紀プロジェクト」(PNAC)の共同設立者の一人で、レーガン政権で国防次官補を務めた経歴を持つ。ガフニーは同論文でブッシュ政権2期目の「重要事項」として、①ファルージャのような「イラクにおける自由の敵の天国」の破壊、②イランと北朝鮮の体制転覆、③「第4次世界大戦」を戦いうる米軍再編、④アメリカのパワーに歯向かうドイツやフランスとのたたかい、をあげている。

 ①は、すでにブッシュ再建直後からのファルージャ総攻撃――住民虐殺として実行に移されている。ガフニーによれば、すでに実施されたアフガニスタン・イラクへの攻撃も、今後予定されているイラン、北朝鮮への攻撃も、アメリカによる第4次世界大戦の一環であり、現在アメリカが押し進めている米軍再編(トランスフォーメーション)はその準備、ということになる。

②進むイラク現地司令部建設

 米軍は今、占領下のイラクに巨大司令部建設を進めている。場所は、首都バグダッドの北西、フセインが生まれたティクリットの近く。そのあまりの巨大さゆえに、アメリカのジャーナリストは「イラクのペンタゴン」と呼んでいる。建設中のイラク司令部には最先端の通信設備が完備され、衛星を通じてフロリダ州タンパの中東司令部と24時間体制の複数回線で結ばれる。

 米軍はこの新しい司令部を中心にして最新鋭の陸軍部隊・2個師団、総兵力10万人をイラクに常駐させようとしている。今後、世界に展開する全米軍部隊は、このイラク現地司令部を最重要拠点として、これへの補給支援体制を基軸に再編成される。在日米軍基地もイラク現地司令部を中心とした中東の後方支援基地になる。アメリカ、特にアラスカの基地の米軍航空部隊や、ハワイの米機動部隊は、日本の基地を中継拠点としてイラク・中東地域に向かう。

 小泉政権は、「アメリカが日本を守ってくれる」などと平和ボケしたことを言い続けているが、暴走を続けるネオコンは、ついに中東全域の一元的支配を目指した第4次世界大戦へと乗りだそうとしている。イラク攻撃―占領はその手始めであり、ネオコンはイラクに軍事拠点を建設し、隣国のイラン、シリアへの攻撃を準備している。

 イラク戦争を始めさせた張本人と言われるリチャード・パール国防政策委員会・前議長などは、「サウジアラビアを攻撃して、国を作りかえねばならない」と世界最大の産油国サウジへの攻撃・体制転換を公言してはばからない。

 ブッシュ政権の軍事戦略を決める最高機関・国防政策委員会のメンバーで、カンボジア空爆を強行したニクソン・フォード両政権のCIA長官・国防長官を勤めたジェームズ・シュレジンジャーは、「アメリカは10億人のイスラムを相手にするわけではない。せいぜい20万か30万のテロリスト(!――筆者)を相手に戦うのである。もっとも、その戦争にしても向こう10年から20年以上はかかるだろう。大統領にして4、5人はこの戦争に関わることになる」と語っている。まさに第1次・第2次大戦、米ソ冷戦規模の長期にわたる戦争=第4次世界大戦の開幕だ。

③OPEC(石油輸出国機構)解体

 中東で第4次世界大戦へと突入しようとしているネオコン・ブッシュ政権の最終目標は何か。それは、アメリカ国内の油田の枯渇(10年以内)、世界の油田の枯渇(40年以内)をみすえて世界の石油を独占することにある。

 アメリカは、世界総人口の5%で、世界の石油の25%以上を消費し続ける石油消費大国だ。テキサス油田など、国内にも豊富な油田を抱えるアメリカでは、かつては石油は水よりも安く手に入れることができた。アメリカ中産階級のいわゆる「アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ」は、こうした安価な石油の大量消費を前提にして成り立ってきた。油田が枯渇し、石油価格が上昇すればアメリカン・ウェイ・オブ・ライフは足元から崩壊する。アメリカは、残り少なくなってきた石油を独り占めし、アメリカン・ウェイ・オブ・ライフを何としても護持しようとしている。とりわけ石油産業=石油メジャー(エクソン、モービル、テキサコ、ソーカル、ガルフなどの米国系、ブリティッシュ・ペトロリアムなどの英国系の巨大石油企業)は、石油がなければ商売が成り立たない。

 ただし、油田の枯渇による石油供給の減少は、石油業界にとって、将来はともかく現時点では「悪い話」ではない。供給が減少すれば石油の値段は上がるからだ。実際、イラク戦争開始後の石油価格高騰で彼らは大儲けしている。遠くない将来、世界中の油田が枯渇すれば、当然、石油産業はつぶれる。石油メジャーはそれまでに、価格上昇必至の石油で儲けるだけ儲けようとしているのだ(石油メジャーの経営者たちは、本当に石油が無くなって儲からなくなったら、さっさと他の儲け口に転職するつもりに違いない)。

 米英系の石油メジャーは、世界中の油田の発見・産出・輸送・精製・販売を、ほぼ完全に支配している。だが、世界の石油の産出量だけは、アラブ諸国を中心とするOPEC(石油輸出国機構)が決定するシステムが続いていて、メジャーの思うようにはならない。

 1973年の第4次中東戦争に際してOPECは、親イスラエル国への石油禁輸政策を打ち出すのと同時に、石油価格を一挙に4倍に引き上げ、アメリカをはじめとする先進諸国にイスラエルを支援しないように圧力をかけた(オイルショック)。79年のイラン革命に際してもオイルショックは起きている。2度のオイルショックは石油消費大国アメリカにとって、日本以上に大きな打撃だった。

 石油メジャーおよびアメリカは、本心ではずっとOPECを解体したかったのだが、OPECの石油政策は、アラブ民族主義を体現したものであり、その背後には軍事大国ソ連が存在した。アメリカがあまり強行姿勢をとるとアラブ諸国がソ連との結びつきを深める恐れがあった。それゆえ歴代のアメリカ政権は、OPEC諸国に配慮し、経済援助や軍事援助によってアメリカ側に引きつけるべく努力してきた。

 しかしである。今やソ連は崩壊し、アラブの民族主義も力を失った。もはやアメリカはOPECに配慮する必要はなくなった。石油メジャーは、二度とオイルショックのようなことが起こらないように、世界の石油を直接に支配する野望を抱いている。

 まさにそうしたメジャー・米石油産業の野望を受けて誕生したのがブッシュ政権だ。ブッシュ大統領は、「アメリカの石油の首都」と呼ばれるテキサス州ヒューストンからワシントンに乗り込んできた米石油産業の利益代弁者だ。副大統領のチェイニーも同じテキサス州のダラスに本拠を置く世界最大の石油サービス企業「ハリバートン」の経営者だった。

 ブッシュ1期政権は、アメリカの言うことを聞かないばかりか、ユーロ建て石油をフランスやロシアに売り始めたフセイン政権を打倒し、イラクの石油を直接支配すべくイラク戦争に突入した。2期ブッシュ政権は、中東・中央アジア(カスピ海沿岸)の油田・天然ガス地帯をすべて支配するために、さらに戦争を拡大しようとしている。メジャー・米石油産業の意を体現するブッシュ政権の最終目標は、すべての産油国を「民主化」、つまり親米政権に交代させ、OPEC自体を解体することにある。

 小泉政権は、アフガン戦争以来のインド洋での米軍艦船への給油活動(海のガソリンスタンド)やイラクへの自衛隊派兵継続といった米軍支援を続けている。このままアメリカの言いなりになっていたら、イラクからの自衛隊撤退どころか、中東石油の独占をもくろむアメリカの「第4次世界大戦」を支援するために、日本も中東での恒常的な支援活動に動員されかねない。

 どうして日本が米英の石油メジャーが中東石油を支配するための戦争に参戦しなければならないのか。石油のおこぼれにあずかるため? でも、いずれにしても世界の石油はあと40年たらずで枯渇する。そうした将来を見すえて100%石油輸入国・日本は、石油依存の経済システムからの脱却=自然エネルギーなどの循環型エネルギーに依拠する持続可能な社会システムへの転換をこそ目指すべきだ。それまでの当座の石油消費については、アメリカを介さず直接産油国から購入すればいいではないか。借金大国アメリカと違って日本には今なお巨額の貿易黒字が存在するのだから。アメリカの戦費を負担するために米国債を購入する資金があるのなら、持続可能なシステムへの転換にこそ投資するべきだ。

Ⅱ、金正日体制のレジーム・チェンジ

①日米共同、北朝鮮先制攻撃作戦=5055

 ネオコンが主張する第4次世界大戦の戦場は、中東ばかりではない。第1期ブッシュ政権が、イラク、イランと並んで「悪の枢軸」と名指した北朝鮮に対する先制攻撃・政権転覆についてもネオコンはあきらめたわけではない。世界の石油独占をもくろむネオコンが、どうして資源のない北朝鮮への攻撃に固執するのか。それはネオコンが世界の石油独占と共に、世界から冷戦体制の残滓を完全に一掃し、アメリカの軍事力による一元的な世界覇権の確立を目指しているからだ。簡単にいえば、「アメリカの言うことをきかない国・勢力は全てたたきつぶす」ということだ。

 12月12日の『朝日新聞』朝刊は1面で、2002年に自衛隊と米軍が朝鮮半島有事を想定した共同作戦計画=コード「5055」を策定・調印していたと報じた。5055は、①遭難した米軍人の捜索・救難など米軍への直接的な支援、②米軍が出撃や補給する拠点となる基地や港湾の安全確保、などからなる。想定されているケースの一つに、「北朝鮮の武装工作員ら数百人による侵入」があり、陸上自衛隊は警護対象として、米軍基地や日本海岸の原発など重要施設135か所のリストアップを完了している。海上自衛隊は原発などの沖合に護衛艦や哨戒機を待機させ、工作船を警戒。さらに浮遊機雷の掃海など朝鮮半島と九州北部を結ぶ輸送ルートを確保する。航空自衛隊は、早期警戒管制機での情報収集や、C130輸送機などでの朝鮮半島からの避難民の輸送支援をする。

 2004年12月10日に閣議決定された新「防衛計画の大綱」も、すでにこの5055を前提に、自衛隊の侵略対処の重点を「ゲリラや武装工作員」に移している。新防衛計画の策定をめぐっては、「4万人削減」を主張する財務省に対して自衛隊側は、「ゲリラ・工作員対処は最も人手のかかる作戦」と、この5055を″錦の御旗〟にして現状維持を押し切った。

 『朝日新聞』は、米軍側は「朝鮮半島情勢が急変する可能性は常にある」と「5055」策定を急いだと報じている。だが、5055が想定するような「武装工作員ら数百人による侵入」=日本への先制攻撃を北朝鮮が強行するようなことがありうるだろうか。そんなことをすれば米軍に北朝鮮攻撃の格好の口実を与えることになることは、北朝鮮も十分承知している。何はともあれ日朝共同宣言に署名した今の金正日政権が、そのような暴挙にでるとは考えられない。

 「北朝鮮の武装工作員ら数百人による侵入」がありうるとすれば、それは米軍が北朝鮮先制攻撃を強行した場合(ないしそれが確実になった場合)しかない。米軍による北朝鮮先制攻撃に際して自衛隊が「米軍が出撃や補給する拠点となる基地や港湾の安全確保」(5055)をする、つまり第2次朝鮮戦争に日本も「参戦」するということだ。

②北朝鮮先制攻撃は国際法違反

 米軍は、北朝鮮攻撃をどのような形で行おうとしているのか。ジャーナリストの日高義樹は、ブッシュ政権・米軍関係者への取材をもとに次のように分析している(『日本人が知らないアメリカひとり勝ち戦略』)。

 北朝鮮には何の資源もない。したがってアメリカの若者を犠牲にして占領する必然性がない。アメリカは損失の多いやり方、つまりイラク戦争のように陸軍や海兵隊を使って北朝鮮を占領しようとは考えていない。「アメリカの金正日に対する戦争は、空軍力と海軍力による近代兵器の戦いになるだろう」

 具体的には米軍は、アメリカ第7艦隊の空母機動部隊を中心とした北朝鮮攻撃を計画している。米軍は、日本海に6~8隻の原子力空母を集結させ、そこから艦載機の総数500機のF18が往復攻撃を加え、北朝鮮の軍事拠点や政治拠点を徹底的に破壊する。山岳地帯に逃げ込むと予想される金正日政権首脳部にたいしては、クルージング(巡航)ミサイルや地下攻撃用の特殊爆弾によって徹底的に攻撃を続ける。攻撃は長くとも1週間で完了する。こうした攻撃を行えば、北朝鮮全土のインフラは破壊され、罪のない多くの非戦闘員が死傷するのは目に見えている。

 米軍は北朝鮮による反撃について次のように想定している。「アメリカ軍の絨毯爆撃によってすべてが破壊される前に、かなりの数のロケットや大砲が、韓国に対して発射されることはさけられない」(同前)。つまりソウルをはじめ軍事境界線に近い地域は「火の海」になる。米軍は、北朝鮮からの反撃を避けるため韓国のアメリカ軍を朝鮮半島の南部に撤退させ、北朝鮮攻撃に際しては、ほとんどの米軍部隊を朝鮮半島そのものから移動させようとしている。だが韓国の人々は逃げられない。

 日高は、北朝鮮攻撃の出撃拠点の中心は在日米軍基地ではなく、グアム島の米軍基地となる公算が大きいと、楽観的な予想をしている。「横田、三沢、岩国といった基地は、日本の平和勢力の反対で使いにくいうえ、北朝鮮に近いためゲリラに襲われる危険もある。そのうえ北朝鮮側がロケットを使って日本を攻撃する絶好の口実を与えることになる」と。

 しかし、5055は、「米軍が出撃や補給する拠点となる基地や港湾の安全確保を自衛隊が行う」としている。在日米軍基地――横田、三沢、岩国、横須賀、佐世保、嘉手納から米軍の戦闘機や空母・戦艦が北朝鮮攻撃へ出撃することが、あきらかに前提とされている。自衛隊は出撃する米軍を後方支援する。

 これはもう、憲法9条違反とかいうレベルの問題ではない。現在北朝鮮は日本もアメリカも攻撃していない。北朝鮮攻撃は「個別的および集団的自衛権の行使」にはあたらない。国際法・国連憲章違反の明確な戦争犯罪だ。「日本国の安全又は極東における国際の平和及び安全」の保持を目的とする日米安保条約にも反する。どうやら小泉政権はブッシュ政権と同様の「ならずもの国家」に仲間入りしたいようだ。

③結託する日米のネオコン

 ネオコンはブッシュ再選を前後して、再び対北朝鮮攻撃を強調しはじめている。11月22日、「ウィークリー・スタンダード」誌の編集長としてネオコンの代表格を務めるウィリアム・クリストルは、PNACのウェブ・サイトに「北朝鮮のレジーム・チェンジ(政権交代)に向けて」と題する論文を発表した。同論文でクリストルは、PNACと並ぶネオコンのシンクタンク「アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)」の客員研究員ニコラス・エバースタット執筆の「ウィークリー・スタンダード」誌掲載論文「専制政権を崩壊させよ」を引用しながら、ブッシュ政権2期目の最優先事項の一つは北朝鮮の政権交代であると明言している。

 11月9日に行われたAEIの「第2期ブッシュ政権の外交政策」をテーマとするセミナーに出席したエバースタットは、「北朝鮮への軍事攻撃での核開発阻止という最終の方法は犠牲やコストの巨大さのために不可能と断じる向きがあるが、決して考えられないということではない」と述べている。つまりたとえ「巨大な犠牲やコスト」が生じたとしてもアメリカは、北朝鮮の核施設への先制攻撃を辞さないというのだ。

 「巨大な犠牲やコスト」とは何か。それは米軍による先制攻撃によって開始される「第2次朝鮮戦争」によって東北アジア諸国が被る戦禍のことだ。遠く離れたアメリカが戦禍を被る可能性はほとんどないが、北朝鮮や韓国、そして日本・中国は、巨大な人的経済的犠牲とコストを支払わされるはめになる。ネオコンは、それを重々承知した上で北朝鮮先制攻撃を行うことは「決して考えられないことではない」と言っているのだ。アメリカのネオコンこそ、東北アジアのそして世界の平和と安定にとっての最大の脅威だ。

 こうしたアメリカ・ネオコンの主張に呼応して、安倍晋三(自民党・幹事長代理)を筆頭とする「日本のネオコン」も、「北朝鮮のレジーム・チェンジ」を主張しはじめている。エバースタットやクリストルの論文の相次ぐ発表に、日本のネオコンは間髪をいれず反応している。安倍晋三は、11月21日に放映されたフジテレビの「報道2001」で、「この政権と交渉して果たして結果を出すことができるのか、最近疑問を感じている。レジーム・チェンジの可能性も選択肢に入れたシミュレーションを今からはじめておく必要がある」と得々と論じた。

 安倍晋三は、昨年4月29日、AEIで講演し、ネオコンの首領=アーヴィング・クリストル(ウィリアム・クリストルの父親)に対して「深い尊敬の念」を表明してもいる。安倍晋三は、完全に米国のネオコンと一体化している。

 アメリカ・ブッシュ政権の側も、横田めぐみさんの「遺骨」として北朝鮮が提出した骨が別人のものと判明し(12月8日)、北朝鮮への経済制裁をという声が日本国内で高まった12月10日、「北朝鮮が核爆弾4~6個分をつくるのに必要なプルトニウムを抽出」という情報をメディアにリークした。

 北朝鮮当局による日本人拉致事件解決にむけた不誠実な対応に対して「経済制裁」などの圧力を強める強硬論が高まっている。確かに北朝鮮による日本人拉致事件や核・ミサイル開発問題は――日本による戦争責任の謝罪と償いの実施と同様に、東北アジア諸国間の友好と信頼を醸成していくために、早急に解決していかなければならない問題だ。拉致被害者家族の怒りは当然に違いない。

 だが安倍晋三などの「日本のネオコン」のごとく、アメリカ・ネオコンの「虎の威を借る狐」よろしく、北朝鮮のレジーム・チェンジなどと軽々しく口にするべきではない。

 ネオコンは北朝鮮に対する先制攻撃のチャンスを虎視眈々と狙っている。彼らは、北朝鮮の核兵器およびその製造施設の破壊と、核兵器でアメリカを恫喝した金正日政権の打倒しか考えていない。

 イラク攻撃に際してもブッシュ政権は、バグダッドを占領しサダム・フセイン政権を打倒すれば、イラクに親米政権が誕生するはずだと高をくくっていた。だがイラクでは米軍占領後も激しい反占領・抵抗闘争が続いている。同様にネオコンは、金正日体制の崩壊で朝鮮半島や東北アジアがどうなろうと知ったことか、後は野となれ山となれ、ぐらいにしか考えていない。第Ⅰ章でも登場した米国防政策委員会メンバー、ウールジーは北朝鮮攻撃について次のように語っている。「われわれは金正日政権を倒して新しい状況をつくり出せばよい。あとは中国をはじめアジアの国々が考えることだ」

 やはり拉致問題などの日朝間の問題は、日朝間の交渉で、あるいは東北アジア諸国や国連などの国際的な法的枠組みの中での″ねばり強い交渉〟によって解決するべきだ。東北アジアの平和と安定を考えるなら、それ以外の選択肢はない。米軍による北朝鮮先制攻撃とそれへの日本の加担といった最悪の事態だけは、なんとしても回避しなければならない。

Ⅲ、日本は米国の植民地ではない

①日本も米国の「潜在的脅威」

 要するに2期ブッシュ政権を制圧したネオコンは、アメリカの言いなりにならない国・勢力はすべてたたきつぶし、世界の一極的支配構造を確立しようとしている。小泉首相はブッシュと「盟友」になったつもりのようだが、ネオコンは経済大国日本もまた「潜在的脅威」と位置づけている。

 2002年6月1日、ブッシュは米陸軍士官学校ウェストポイントで演説し、新しいアメリカの国防戦略「ブッシュ・ドクトリン」を発表した。ブッシュ・ドクトリンの要点は3点にまとめられる。①アメリカへの脅威に対する先制攻撃、②核を持つ相手に対する先制核攻撃、③同盟国や国連などの国際機関を相手にしない単独行動主義。

 同演説でブッシュは、前年9月に起きた9・11テロに何度も言及しているが、ブッシュ・ドクトリンは9・11テロへの対処として急造されたものではない。1992年春、父ブッシュ政権のもとで、軍事政策の最高責任者であったチェイニー国防長官(当時、現副大統領)は、政府関係者に「国防政策指針」なる文書を配布している。同指針はすでに「先制(核)攻撃、単独行動主義」といったブッシュ・ドクトリンの骨格的な考え方をはっきりと打ち出している。それもそのはず、両文書とも執筆したのはネオコンのポール・ウォルフォウィッツ(現国防副長官、父ブッシュ政権当時は国防次官)なのだから。

 ただし、92年の国防政策指針にはあって、02年のブッシュ・ドクトリンではすっぽり欠落している部分がある。日本やドイツなどの「友好国」について論じた部分だ。その内容は要約すると以下のようなものだ。

 「アメリカの潜在的な競争相手に、より大きな地域的、あるいは世界的な力を持たせないために、そうした国々を押さえつけるための仕組みをアメリカは持たなければならない。中国やロシアだけではなく、アメリカの友好国である経済大国日本とドイツも軍事力によって押さえつけ、軍事大国になろうという野望を打ち砕かなければならない」

 ここには、日本やドイツなどの同盟国(かつての同盟国というべきか)さえも「潜在的脅威」として押さえつけようとするネオコンの本音が赤裸々に語られている。このまま軍事外交政策のすべてをアメリカに頼り、アメリカに任せるという政策を続けるならば、日本は経済大国という名のもとに許されてきた「建前上の独立国」という立場すら喪失し、アメリカの属国・植民地へと転落する以外ない。

 日米安保条約はその目的を「日本の防衛」と定めている。従来のアメリカの政権は、すくなくとも建前上は、「在日米軍の日本への駐留は、日本を守るため」と言い続けてきた。だがネオコンにとっては、日米安保条約および在日米軍基地は、日本を軍事的に押さえつけるための「仕組み」にすぎない。ネオコンは、「アメリカは現在も実質的に日本を軍事占領しつづけている。日本はアメリカの属国にすぎない」というアメリカの本音を前面に出した対日政策を実行に移そうとしている。

 実際、米軍による「日本占領」はいまだに続いている。例えば米軍横田基地の航空管制官は長野県から千葉県に至る、東京と神奈川県の地上から7500メートルまでの空域を完全に管理している。日本の首都の上空を米軍が占領しているのだ。キャンプ座間への米陸軍第1軍団司令部(ワシントン州)の移転も、中東から朝鮮半島に至る「不安定な弧」への出撃体制の整備であると同時に、首都圏への陸軍軍団司令部移転によって日本を完全に軍事的に封じ込めるためのアメリカの対日戦略でもあることを、見過ごしてはならない。

 横田基地は、東京のアメリカ大使館員のゴルフや乗馬・学校などに使われ、「アメリカの植民地」の様相を呈している。キャンプ座間でも沖縄でも、在日米軍は日本の「思いやり予算」によって米国本土では考えられないような優雅な生活を送っている。アメリカは、そうした待遇を享受することを、宗主国・占領者たるアメリカの「当然の権利」だと思っているのだ。

②米国依存の〈安保+9条〉からの脱却

 対米追随の小泉や、いわゆる「親米ポチ右翼」は、「アメリカが日本を守ってくれる。日米同盟を維持していれば、日本の繁栄は保証される」と信じ続けている。彼らは米ソ冷戦の終結を受けて、アメリカの世界戦略が、同盟国との「国際協調」(=NATO・日米安保体制)によるソ連封じ込めから、単独行動主義による世界の一元的支配構造の確立へと大きく転換したことを理解することができない。というか、「すべては親分のアメリカ任せ」という思考と行動形態(奴隷根性)が体に染みついてしまって、アメリカの変質(心変わり)に思考停止・対応不能状態となっている。

 思考停止・対応不能という点では、「がんこに護憲」などと言い続けている社民党などの「9条護憲」派も引けを取らない。9条護憲というけれど、その9条のもとで日本は、最新鋭の兵器を装備した正規軍兵力24万、予備兵力4万6000の、世界有数の「軍事大国」へと成長を遂げた。自衛隊の海外派兵も、ペルシャ湾、カンボジア、モザンビーク、ルワンダ、ゴラン高原、東ティモール、インド洋、東ティモール、イラクと今や完全に恒常化している。「憲法9条は戦力不保持を宣言している。自衛権は、個別的自衛権も集団的自衛権も認めていない」などと言い続けても、憲法9条は日本の軍事大国化や自衛隊の増強や米軍支援拡大の、何の歯止めにもならないことは、もはやハッキリしている。憲法9条に変わる「歯止め」が必要だ。

 頑迷護憲派は、自衛隊を「憲法違反」と言い続けることによって思考停止に陥り、自衛隊=日本軍のあり方――部隊編制・装備・作戦行動――を具体的に検討し、リアリティのあるオルタナティブを提起することを放棄してきた。その結果、今や自衛隊は、アメリカ製の兵器を装備し、米軍の指揮下で米軍の後方支援を行う、「米軍の属軍」に等しい存在になってしまった。

 同様に、日米安保体制についても頑迷護憲派は「憲法違反」と言い続けることによって、日本の安全保障政策について考えることすら拒否してしまった。理念として「非武装中立」を主張するばかりで、どうやったら実際に日本が非武装・中立でいられるような国際的環境をつくれるのかを、考えようとはしてこなかった。これでは護憲論は、日米安保体制による日本一国の城内平和を前提とした「一国平和主義」と批判されても、致し方ない。

 「平和9条を世界へ」といった主張もなされているが、世界の人々の多くは「戦力放棄・非武装なんていうけれど、日本はアメリカの『核の傘』に守られているから、そんなことが言えるんだ」と思ってる。国際政治学者の藤原帰一は、『「正しい戦争」は本当にあるのか』のなかで、日本には「平和日本を貫くため、アメリカに抗して憲法を守ってきた」という人が多いが、海外では「日本が、軍国主義だから民主化が必要になったんだ、侵略したからこそ武装解除も必要だったんだ」と理解している人が多いと、日本の内外での「認識のギャップ」を紹介している。藤原は、〈安保vs9条〉ではなく、〈安保+9条〉こそ、戦後日本の基本構造だったと指摘する。まさに、その通りに違いない。

 親米ポチ右翼が「アメリカから守られたい。保護されたい」という願望に執着し続けている存在だとすれば、頑迷護憲派は、「アメリカに守られている」状態が長く続きすぎたため、何かしらそれを自然状態かのように錯覚してしまい、「アメリカに守られている」ことすら自覚できなくなってしまった存在だといえる。いわば親米ポチ右翼と護憲派は、戦後日本のアメリカ依存・対米従属構造=〈安保+9条〉というコインの「表と裏」的な存在だといえる。

③東北アジアの集団的安全保障

 頑迷護憲派のように理念ばかりを言い続けるのではなく、現実的有効性をもったオルタナティブ、「可能な中の最善の選択」を提起していくことが、日本の反戦運動にも問われている。アメリカの属国化を深めるか、EUのようにアメリカからの自立・独立の道を模索していくか。21世紀の日本の現実的選択肢は二つしかない。

 『東北アジア共同の家をめざして』で姜尚中は、「21世紀の日本の外交、安全保障システムの最大の課題」として、「東北アジアの集団的な安全保障システム」――「集団的自衛権とは違う、集団的な国際的警察機構」の形成を提言している。同書で姜尚中も論じているように、「東北アジアの集団的な安全保障システム」が形成されれば、対米従属の日米安保体制を解消し、日米関係を対等な普通の関係へと転換していくことも可能になる。アメリカの言いなりになって自衛隊を海外派兵する必要もなくなる。アメリカによる占領から脱し、日本が真の独立国となる日がやってくる。

 そうなれば、最新鋭の兵器で武装した30万人近くもの自衛隊はいらない。自衛隊を解体し、①国境警備隊、②災害救助隊、③国連PKOや「東北アジアの国際的警察機構」(姜尚中)に派遣する各々の専門部隊へと再編する。こうした政策こそ、憲法の唱える戦争放棄・平和主義を具体的に実現していく道ではなかろうか。

 日本が「東北アジア共同体」形成に参加していくためには、靖国問題などの戦争責任の謝罪と償いの問題を、アジアの人々が納得するような形で解決していくことが、やはり前提条件になる。日本は東北アジアの一国だ。東北アジアの平和と安定なくして日本の平和と安定もない。東北アジアの平和と安定にむけた地域的な信頼関係の構築――将来の「東北アジア共同体」形成に向けた日本独自の平和外交が求められている。


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