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DATE: CATEGORY:オルタナティブ通信

北朝鮮の核兵器の出所
書籍紹介:ゴードン・コレーラ「核を売り捌いた男」 ビジネス社


 インド、パキスタン等の核兵器開発を影で支えた核技術・核物質の密売人として、国際的に悪名の高いアブドゥル・カディーン・カーン。パキスタンの元大統領ムシャラフは、パキスタンの核兵器開発現場には、北朝鮮の技術者達が技術研究に来ていたと証言しているが、現在の北朝鮮の核兵器開発の「母体」となったのが、まさにカーンであったと言える。

 カーンが個人的に独立して作り上げた核技術者と核物質密売人のネットワークが、パキスタン・北朝鮮に核兵器を作り出させたとする見方が、現在、「国際社会」の中で一般的であり、本書の著者コレーラもBBC放送の記者として、英国MI6の情報「操作」担当者として、そのような間違った見解を本書で流布している。

しかし、CIAと英国MI6、さらにイスラエルのモサドが細心に注意を払っている核兵器市場で、天才的な密売人「個人の営み」として、そのネットワークが核兵器の密売を可能にさせる等というのは、銃弾の飛び交うイラクの戦闘現場で「紛争の解決は、スーパーマンの個人の活躍に期待するしか無い」と大声で主張するような、滑稽な認識でしか無い。

 元々、CIA直結である諜報組織ISI(パキスタン三軍統合情報本部)を国家機関として持つパキスタンが、米国の意向抜きで核兵器開発が実行出来るはずがない。また、パキスタンの核開発資金がCIA銀行と呼ばれるパキスタンの銀行BCCIから出資されていた事は、パキスタンの核兵器開発が影から米国の支援を受けていた事実を物語っている。

 そして、ブッシュ大統領の経営していた企業アルブスト社の創立資金を出したのが、このBCCIである。大統領の経営企業とパキスタンの核兵器開発資金が「同一資金源から出ていた」。

 カーンの行っている核兵器・核物質の密売を、米国政府は全く知らなかったのであろうか?

 米国政府とCIAの代表としてカーンの核兵器密売を監視する立場にあったのがジョセフ・ナイであった事が本書では語られている。ナイは、核兵器の世界各地への流布を「阻止しようという意志がありながら、結局、核兵器の世界全体への拡大を推進する」役割を果たした事が、本書では明らかにされている(p45)。

 元々「バランス・オブ・パワー」論者であるナイは、ソ連(ロシア)の核兵器を抑止するために中国の核兵器を容認し、中国の核兵器を抑止するためにインドの核武装を容認し、インドの核兵器を抑止するためにパキスタンの核武装を容認し、さらにイスラエルの核兵器を抑止するためにアラブ諸国へのパキスタンからの核兵器の拡散を容認するという、「核兵器密売人の商売を正当化するための理論」を構築してきた。

ナイは学者などではなくCIAの工作員であり、その弟子ズビグニュー・ブレジンスキーが、米国次期大統領候補オバマの政策ブレーンであって見れば、「世界の政治を動かしている者が、マーク・リッチのような核兵器の密売人であり、ナイ、ブレジンスキーが、その表の世界での代理人である事が分かる」。つまり、カーンは単なる「あやつり人形」にしか過ぎない(注1)。

 事実、本書には、アフガニスタンがソ連(ロシア)の支配下に置かれていた時期に、アフガニスタンにソ連が核兵器を置く危険性をブレジンスキーが指摘し、アフガンに対抗し「バランス・オブ・パワー」を作り出すためにパキスタンの核開発を米国が支援する必要性がある事をブレジンスキー自身が主張している様が記されている。

 核兵器の世界各地への「分散」を、現在の米国大統領候補バラク・オバマの政策ブレーンが「強く主張」しているのだ。

 さらに米国政府がパキスタンの核武装を容認する立場を取った際の米国国防長官(1989年当時)が、現在のチェイニー副大統領であり、パキスタンの核武装に反対する国防省職員を他の国防省職員とチェイニーが抑え込む様も語られている。

チェイニーのボスが国際的核兵器密売人のマーク・リッチであり、リッチがチェイニーの行動を「指示・指揮・監視」するために常時、副大統領チェイニーに付き添わせたのが副大統領主席補佐官ルイス・リビーであった。リビーは、リッチの顧問弁護士である。

 また、クリントン政権の国防長官ウィリアム・ペリーが、北朝鮮の核開発を黙認する様子も語られている(p152)。兵器密売資金の融資専門銀行デュロン・リードの経営者ペリーである。日本に米軍基地を常駐させ、米国の核兵器を常駐させる事を決定した日米安保条約の起草者ダグラス・デュロンの創立した銀行である。そして中国に核ミサイル技術を売却したデュロン社の社長ペリー。幕末の黒船ペリーの末裔である。

中国を狙う米国核兵器を日本に置かせたデュロン。日本を狙う核兵器を中国に売却したデュロン。こうしてデュロン社の核兵器販売促進のために日本と中国、アジア人同士が核戦争で「滅びる」準備を「させられている」。

 本書では、ベルギーのパキスタン大使館とベルギー在籍のフランス企業が、カーンの手足として核開発に必要な部品の調達を行っていた事実が語られているが(p39)、やはり国際的な核兵器密売人のボス、マーク・リッチの活動拠点で「取引が行われていた」。

 またロシア原子力省MINATOMが、その核兵器開発を技術面で支援していた事も語られている。イスラエル本籍のロシアンマフィア・リッチの母国である。単なる技術者であるカーン個人がロシア政府を動かせるはずがない。

 核の闇市場が、こうしてパキスタンを拠点に形成されて行く。なぜパキスタンであったのか。

 「有事の際には親友のサウジアラビアを助けるために駆け付ける国がパキスタン」である旨が本書では語られる。つまり核開発の場としてパキスタンが選択された理由は、サウジアラビアを始めとしたアラブ諸国に核兵器を販売する販路開拓、営業事務所作りの意味があった、という事である。アラブに強硬に対立するイスラエルが、核武装し、アラブへの軍事侵略を繰り返している事は、「アラブよ、核兵器を買ってくれ」というイスラエルを拠点とした核密売人達のCM活動である事が分かる。

 なお補足的に、本書では、暗殺されたパキスタンの元首相ブット女史が、この核兵器密売のネットワークの代理人として、リビアのカダフィ大佐、北朝鮮への核兵器密輸の「商談」を行っていた事実が語られている。この核密売のネットワークの「維持・隠蔽」のためにブットが口封じのため暗殺された事、この核密売ネットワークが「あやつり人形でしかないカーン」の引退とは関係なく現在も生きている事実を、それは物語っている(ブットはパキスタンの通常兵器も北朝鮮から輸入し、その輸入商談を行っていた)。


 現在、世界の核兵器密売市場では、カーンは過去の人となり、その主役はウクライナのセギュオン・モギュレヴィッチ等に引き継がれ、トルコ、スーダン、ナイジェリア、アラブ首長国連邦、クウェート、ミャンマーの核武装が、極秘に着々と進みつつある。



*注1・・・ジョセフ・ナイ、ズビグニュー・ブレンジンスキーの世界全体への「核兵器拡散」政策、核戦争推進計画については、拙稿「毒入りギョウザの犯人」を参照。

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