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DATE: CATEGORY:植草一秀氏の『知られざる真実』掲示板

アメリカの後を追う「日本の貧困」! 投稿者:松代理一郎 投稿日:2010年 3月 3日(水)02時19分37秒
「ルポ 貧困大陸アメリカⅡ」堤未果著(岩波新書)を読んで、アメリカ国民生活がいかに”借金地獄”と”奴隷労働”に追い込まれているか、判る。

 特に、公的な”教育””医療””年金””受刑労働”について、民営化の名の下に、強欲金融の餌食にされ、国民が”無限地獄”へ落とされている様が判る。

 日本で、小泉・竹中が押しすすめた”民営化”の「近未来の実態」が如実に描かれている。

 たとえば、”奨学金”。本来、教育の機会均等を保障するための制度であったが、いまや、民営化によって、”学資ローン”として、金儲けの主要ビジネスに変質している。

 全米学生の2/3が借りており、総額9兆円の有望ビジネス市場となっている。2005年には、学資ローンのトップ企業サリーメイは、フォーチュン誌の選ぶ全米トップ企業ランキングで第二位になり、そのCEOアルバート・ロードは、450億円の報酬を得ていると言う。

 一方、学生は、授業料のすさまじい高騰に対応して、将来の返済能力を超えた巨額の貸付を高金利で受け、卒業後に延滞や破綻するものが続出している。延滞の合計は5兆円にも達すると言う。

 また、学資ローンには、消費者保護法が適用されないと言うことで、永遠に”借金”が膨れ上がりながら、終生追っかける、と言う怖い状況となっている。

 日本の”奨学金”制度の変質も、学資ローンをまねたもので、受益者負担、自己責任、の建前で、金利付き融資で、返済を求めるものが大半である。

 今、月8万円程度で4年間受領して、卒業時に500万円近い借金を背負って、月2万円づつ20年間、返済し続ける例が多い。

 現在の若者の実情からすれば、15万円程度の手取りで、給料の増額も期待できない中で、2万円の出費は結構大きな負担となっている。

 職に就けなかったり、病気したり、リストラにあったり、とリスクを考えると、とても、”奨学金”を受けて進学する勇気はでにくいと聞く。

 今の経済情勢が続くなか、学資ローンの仕掛けは一緒なので、アメリカの後追いで日本も、延滞が増えて、政府のまともな支援策がない限り、若者の生活破綻が続出すると思われる。

 次に、アメリカにおける年金の実態はと言うと。GM破産での企業年金破綻に見られるように、社会保障が崩壊している。

 アメリカには小さな政府が是とされるように、老後の生活を十分に保障する公的年金は存在しない。

 また、企業年金を失うことは、企業保護の医療保険も失うことになり、無保険状態になり、きわめて悲惨な老後生活となっている。

 医療保険にしても、国民皆保険制度ではなく、現在、15%4500万人が無保険状態と言う。

 医療費が日本の7倍以上かかり、さらに、民間保険会社への掛け金額と個人信用レベルで、出来る治療(保険会社の了解)も決まる、と言う。

 多くの国民が、金がないためにまともな治療が受けらないまま、亡くなっている現実も多い。

 これらは、年金も医療も”民営化”と言う名の金融ビジネスの食い物にされているために、まず利益確保が最優先され、命や生活は二の次にされているのである。

 日本の制度も、ほぼこれに近いかたちを自民党政権で”改悪”を指向されてきている。

 民主党になっても、財源難を理由に温存される可能性もあり、ウオッチが必要である。

 最後に、本書では、刑務所の民営化が上げられている。私は、刑務所の民営化ビジネスが、受刑者の奴隷労働に目を付けた、これほどあくどいものとは思いもしなかった。

 受刑者から、部屋代(高額)を徴収(借金)し、刑務所内の仕事を極端な低賃金(中国、インドの1/10)で働かせ、出所時に精算(結局は借金が大きい)して、出所後、借金返済を迫る、と言う。信じがたいあくどいビジネスが行われていると言う。

 刑務所の民営業者は、建物が常時満室が保障され、有料賃貸物件として、証券化によって売りさばき、大もうけをしていると言う。

 また、業者の株価も高騰し、超優良企業として評価されている。

 反面、受刑者は一度、この民営刑務所に入れば、奴隷として絞り取られ、出所後も、借金で追いかけられ、再犯を繰り返す、”無間地獄”の人生となっている、と言う。

 先日、山口県に、官の非効率を正すと言う名目で、初の民営刑務所が開所されてが、その実態は”要注意”である。恐らく、アメリカのマネをした”奴隷労働”の工場を目指している可能性が高いであろう。

 そもそも、教育にしろ、医療、年金、受刑者処遇など、本来、個人責任で処置できるものではなく、社会が責任を負うものである。

 それを民営化(効率化)の名の下に、金儲けの対象にするところに、”弱いものいじめ”の人間を貶めるあくどい「貧困ビジネス」がはびこるのである。

 「ルポ貧困大陸アメリカⅡ」は、今の、近未来の日本を考える上で、必読の書と思う!

 植草先生が闘って来られた、小泉・竹中路線の”青写真”が、とんでもないものだ、と言う”論より証拠”が、しっかり認識できる。ぜひ、一読を!



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テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも - ジャンル : 政治・経済

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