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DATE: CATEGORY:植草一秀の『知られざる真実』


検察審査会審査補助員選任基準を明らかにせよ
『金利・為替・株価特報』2010年7月9日号=112号を発行した。


11月9日金曜日の発行である。


タイトルは、


「対米隷属派VS主権者国民派で政界大再編」


である。


目次を紹介する。


<目次>


1. 【政局】参院選結果がもたらす大地殻変動


2. 【政策】財政再建原理主義の毒


3. 【政治】市場原理主義対共生重視主義


4. 【米国】景気対策効果が一巡した米国経済


5. 【中国】バブル調整不可避の中国経済


6. 【株価】強まる株価下落リスク


7. 【為替】円高傾向がもたらす景気抑圧効果


8. 【金利】持続する低金利と金融緩和


9. 【投資】投資戦略


 『金利・為替・株価特報』ご購読は、いま申し込みをいただくと正式購読期間開始は8月からになる。7月発行号については、無料送付扱いにさせていただいている。関心のある皆様にはぜひご購読をご検討賜りたい。


 参院選は菅直人首相が率いる民主党が大敗した。


 菅直人首相は予想通り、首相ポストにしがみつく行動を示している。


 枝野幹事長も他者を批判するときには、道理もなく過激で厳しいが、自分自身のことになると、同じ人物の行動とは思えぬほど大甘裁定になる。そこには責任感のかけらもない。他者に厳しく自分に甘い典型的な自己中心的人格が露骨に表出されている。今後は枝野氏の言葉に耳を傾ける人は一人もいなくなるだろう。


 テレビ朝日番組が民主党執行部を批判する夕刊紙『日刊ゲンダイ』などの記事を紹介すると、茶坊主評論家代表の田原総一朗氏がすかさず反論した。


「そこで紹介しているのは小沢氏系の議員ばかりでしょ。小沢氏系の議員に聞けばそのような話が出るに決まっている」


と述べた。


 田原氏は構造をよく知っている。極めて敏感だ。


 田原氏が関与する番組には、民主党議員を多数出演させても、小沢氏系議員をほとんど出演させない。田原氏が意図して小沢氏系議員を出演させていないことを田原氏が間接的に自白した発言になった。


 テレビ朝日番組は渡部恒三氏を出演させ、菅執行部の責任を問わない発言をさせる。「悪代菅を支える偽黄門」である。醜悪な姿だ。


 1年以上にわたって、「小沢が悪い」、「小沢は退陣すべきだ」と主張し続け、「小沢氏は辞任すべきか」の世論調査を繰り返し実施してきたメディアが、一転して、


「難問が山積しており、いまは誰が悪い、誰を辞任させるべきかなどの永田町の騒動を展開している場合ではない」


の主張を繰り返し始めた。


 いまこそ、「菅首相は責任を明らかにするべきか」、「民主党執行部の責任処理は十分だと思うか」などの世論調査をするべきだろう。






 菅首相は野党時代、「国民に信を問わずに首相を交代するのはおかしい」と繰り返した。今回、菅政権が発足して同じ批判を野党から受けた。


 これに対して菅首相は、


「参議院選挙が国民からの審判になる。参議院選挙は菅政権に対する信任を問う選挙だ」


との趣旨の発言をした。


 その参院選で民主党は大敗した。44議席は橋本龍太郎首相が引責辞任した際の自民党獲得議席数と同じだ。菅内閣は国民から「不信任」を突き付けられた。


 小沢‐鳩山体制をあれほど激しく攻撃した日本経済新聞が、菅政権の全面擁護に回っている。日本経済新聞は菅政権延命のための情報誘導にいそしんでいるが、国民が菅政権に示したのは「イエローカード」ではなく「レッドカード」である。菅首相は醜態をいつまでもさらさずに、自分の言葉に責任を持って潔く身を引くべきだ。山崎行太郎氏が主張することが断然正しい。


 参院選を通じて、すべての構造が改めて確認された。


 米官業政電=米菅業政電の悪徳ペンタゴン=既得権益勢力は、主権者国民政権の樹立、定着を死に物狂いで阻止しようとしている。


 主権者国民政権は米国の言いなりにならない。小沢‐鳩山体制が執拗な攻撃を受け続けてきた最大の理由がこの点にある。


 最大のターゲットは小沢一郎氏である。悪徳ペンタゴンは小沢氏を攻撃するために、検察・メディアによる集中攻撃を採用した。この集中攻撃に合理的な根拠は存在しない。


 検察審査会の議決がクローズアップされているが、すべてのカギは「審査補助員」の弁護士に誰を選任するかにかかっている。


 東京第5検察審査会が常識とはかけ離れた「起訴相当」の議決を示したのは、審査補助員の米沢敏男弁護士(元検察官)の強引な誘導によるものであると推察される。


 審査補助員がたとえば政治資金規正法のエキスパートの一人である郷原信郎弁護士であったなら、検察審査会の議決は100%不起訴相当になると考えられる。


 この意味で、誰を審査補助員に充当するかですべてが決まると言ってよいだろう。したがって、この審査補助員に誰を選任するか。その選任の基準をどのように設定するのかが何よりも重要になる。少なくともその情報開示が不可欠である。


 先日の『日刊ゲンダイ』情報では、審査補助員が交代し、議決が9月にずれ込むとされたが、真偽を確認できていない。


 「検察審査会がどのような判断を示すかが注目される」


などと表現されるが、実態は異なる。


 「検察審査会の審査補助員を誰にするか」


ですべてが決まるのである。


 今回の参院選に悪徳ペンタゴンの工作活動が集約して表れた。


 小沢氏体制を攻撃するために、悪徳ペンタゴンは2008年民主党代表選で複数候補による代表選を執拗に要請した。狙いは、民主党を小沢派と反小沢派に分断することにあった。今回菅内閣が発足し、民主党は事実上の分裂状態に陥った。民主支持層も分断され、民主党の集票力は低下した。これがねらいだったわけだ。


 また、「偽装CHANGE新党」は反自民票を分断するために創設されたと考えられる。「偽装CHANGE新党」が反自民票の一部を吸収して反自民票が分断されると、とりわけ1人区で自民党が漁夫の利を得る。


 菅首相は有為の人材である簗瀬進氏を栃木県選挙区で落選させてしまった。


 悪徳ペンタゴンの最後の懸念材料は、参院選結果を受けて、民主党内力学が変化して、小沢派が党運営の実権を奪還することである。


 このために、現執行部とメディアが結託して、菅執行部の引責辞任を阻止しようとしている。


 菅執行部は責任問題処理を2ヵ月先送りしようとしているが、検察審査会との関係を念頭に入れていることは間違いない。菅-仙谷体制が対米隷属体制であることを踏まえれば、対米隷属勢力である検察勢力との連携は朝飯前である。


 したがって、主権者国民勢力がいまなさねばならないことは、検察審査会の審査補助員選任問題をクローズアップすることである。


 主権者国民勢力は巨大な敵と戦っているのだ。この構造を明確に認識して対応策を検討しなければ、再び元の悪徳ペンタゴン支配構造に巻き戻されてしまう。


 検察審査会の審査補助員を誰にするかがすべてを決めるカギである。


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