墓穴掘る東芝強欲経営<本澤二郎の「日本の風景」(3573)

<東芝病院医療事故死に反省謝罪なしの経営陣のツケ>

 親亀がこけると、小亀も。いまの東芝に対する公平な評価であろう。筆者は311の前年、2010年4月7日に東芝経営の東芝病院で、入院直後に次男正文を孤独死させられた。いまだに一片の反省と謝罪を聞かない。腐敗人事などでお詫びの言葉を口にする安倍晋三首相よりも、悪辣な車屋とかいう東芝経営者である。


 人間の命に向き合えないという政治家や経営者を知らない父親は、ひたすら衝撃を受けて今年10年を迎える。この間、東芝本体の経営動向を概観させられてきたが、その後の史上最大の粉飾決算と、311の東電福島原発3号機核爆発にたじろいでしまった。


 息子の怨念と関係はないだろうが、因果応報それ自体は本当なのであろう。「人間の命は地球よりも重い」と国会で演説した佐藤栄作を思い出してしまうが、我が息子の無念を想像すると、無関係とはいえそうもない。


 財閥東芝の沈下は、政府におんぶにだっこよろしく、米英の用済み原発WHをべら棒に高額な金額で購入した経営者によって、地獄道に落ち込んでしまった。311で、原発ビジネスは時代から放り出されてしまった、にもかかわらず、これに執着した。まともな経営者ではなかった。

 次々と首脳陣は代わったが、人間の命と向き合う人物は現れなかった。資本主義とはいえ、利益優先主義のみの東芝に評価はないに等しい。東芝再生の道は、ますます遠のいている。


<粉飾と架空取引の行き着く先は地獄道>

 資本主義社会だからといって、なんでも自由であるわけがない。消費者や株主を保護する法律が存在する。

 東芝経営陣は、この当たり前の約束を破り続けた。背後に、東芝(三井傘下)が支援する政府や霞が関の、腐敗した大きな政治力が控えていたことが、粉飾を史上最大の規模へと膨らませて、被害を巨大化した。


 当然、関係者は逮捕され、株式市場から追放されねばならなかったが、腐敗した政府と官僚が保護して、完全な沈没を免れてきた。このことについての分析は、いまだにない。しかし、ここが東芝事件の核心である。


 日産の功労者・カルロス・ゴーンには、強引すぎる逮捕、他方で東芝経営陣はぬくぬくと生き延びた。それは311の東電首脳部に対してもなされた。市民の叫びにも裁判所は、聞く耳を持たなかった。検察も裁判所もまた、腐敗の渦に巻き込まれていた。


 わが息子の刑事告訴もまた、そうして不起訴となった。宇都宮徳馬は「官僚社会主義」と敗戦直後に分析して、世間の耳目をさらったが、それでも政府の経済官僚と財閥は、今日も一体となって蠢いている。

 安倍内閣の経済路線は、財閥向けであることは論を待たない。財閥東芝は、息子の命を奪っても、消費者や株主を裏切っても、平然として粉飾後の経営を行ってきた。これで再生するわけがない。


 今回東芝子会社の東芝ITサービスの架空取引は、200億円どころか、軽くその金額を超えている。「2019年9月までの中間連結決算までの累計で、売上高約200億円が過大計上」(共同)は、今後どれくらい膨れ上がるのか。

 因果は巡るという。同じ過ちを繰り返す東芝に明日はない。地獄道に突っ込んでいる。


<「検察は首脳部を逮捕せよ」と株主>

 株主の怒りは想像に余りある。「検察は首脳部を逮捕せよ」と叫んでいる。

 その怒りの気持ちを理解できる。

 我はその比ではない。息子の命を奪われたのだ。それでいて反省もしない、謝罪の一言もない。不甲斐ない父親は、いい加減な医療弁護士に引っかかったこともあって、東芝顧問弁護士と一度も接触できなかった。


 次なる政権の改革の第一歩は、韓国ではないが、司法改革に尽きる。そうすれば、東芝経営陣を獄に入れて、人並みの苦労を強いることが出来るだろう。このことを株主諸兄に伝えようと思う。


<どっこい「財閥に日本検察は手を出せない」>

 国粋主義の政府は、すでに8年目を迎えた。実態は「財閥傀儡政権」であるという事実認識をする必要がある。多くの国民も専門家も理解してない。

 筆者は東芝病院を業務上重過失致死事件として刑事告訴、その関連取材で分かったことである。アベノミクスという経済政策は、財閥を肥え太らせるためのものである。


 財閥が支配する日本は、戦前の侵略戦争が財閥の悪辣な資源略奪にあったことからすると、日本は完ぺきに戦前の国家主義体制に逆流、再び組み込まれている。


 言論界も同様で、東芝の大粉飾決算をそのままの文言を使用できなかったことからも、国民は理解すべきだろう。この真実をわからせてくれた次男正文の、父親への孝行と思いたい。


<311東電福島3号機核爆発を否定する嘘と隠ぺい体質>

 311から9年目に突入した2020年であるが、そこでは現在も東芝と政府・東電の嘘と隠ぺいが継続している。


 福島の東電原発3号機は、東芝製である。ゆえに「核爆発」を否定し、水素爆発だと、嘘で押し通している。

 核爆発被害は、東京から神奈川、静岡県にまで波及している。


<郵政民営化促進の西室泰三は郵政も傷物に>

 東芝のWH買収劇の黒幕である西室泰三は、小泉純一郎の慶應義塾の先輩として、郵政民営化促進にも関与した。

 ついで郵政社長として、WH買収同様に投資に大失敗、郵政の信頼を失墜させてしまった。西室の罪は深い。彼の経営体質が今の車屋にも継続している。人間の命に向き合おうとしない悪党である。


 郵政民営化のとどのつまりは、かんぽ生命でお年寄りの命まで奪っている。森ー小泉ー安倍と続く清和会・日本会議の、不正と腐敗の利権政治と、東芝経営陣が結びついていることを、忘却してはなるまい。


<死ななきゃ治らない無恥無能無責任>

 無知は犯罪である。無恥無能は死ななきゃ治らないという。

 安倍もそうだが、東芝経営陣にも言えるだろう。無知無恥無能の戦前体質を追放しない限り、東芝墜落は地獄へと続くことになろう。


 息子の命を奪った東芝に対するペンの追及は、今後も継続するしかない。

2020年1月23日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記