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DATE: CATEGORY:植草一秀の『知られざる真実』


政治活動費用の公費助成は政治家個人に行うべき




10月30日付記事


「次期総選挙投票日は1月20日か2月17日が有力」


に記述したが、総選挙が「近いうちに」実施されるのではないかとの見方が強まりつつある。


しかし、年内総選挙の可能性は低いと思われる。


理由は、政党交付金の支出基準が年初の議席数に基いて決定されるからだ。


総選挙を実施すれば民主党議員は激減する。この議員数に基く政党交付金も激減する。したがって、野田佳彦氏は年内選挙を実施しないだろう。


年内解散であればあり得る。


年内に解散しても、政党交付金は年初の議席数に準拠して決定されるから、年明け後の選挙で議席が激減しても、その議席数に基く政党交付金ではなく、選挙前の多かった時代の議席数に応じた政党交付金が懐に入るからだ。


とはいえ、野田佳彦氏が落選すれば、政党交付金が入っても権限は振るえなくなるかもしれない。落選議員が党首に留任することはないだろう。



現行の政党交付金制度には大きな矛盾が多い。


年初の議席数に応じた資金配分も重大な欠陥だ。


「国民の生活が第一」のように、2009年の政権公約に対して責任を持とうとする、まともな議員が離党して創設された政党に政党交付金が支払われず、主権者に対してペテン行為を行った、背徳の政党が「国民の生活が第一」が受け取るべき政党交付金を横取りすることが認められている。


現行の制度では政治活動にお金がかかる。


この状況を放置すれば、お金のない人は政治活動を展開することが難しい。


政治活動は民主主義を健全に機能させるために必要であるから、政治活動にかかる費用を国民が分担して負担することは理に適っている。


しかし、その資金が政党のごく一握りの幹部の支配下に置かれることも適正ではない。


現在の民主党のような政党交付金の横取りも不当である。


したがって、このような政治活動に対する公費支給においては、政党に支払うのではなく、個々の議員に支払いを行うべきである。



これと併せて検討するべきは、政治活動にかかる支出に上限を定めることだ。


欧州などで政治資金の支出に上限を設定して規制をかけている国がある。政治活動を透明にする「政治とカネ」の問題に対する対応のひとつである。


例えば秘書の人数をどうするか。


潤沢な資金があれば数十人の秘書を置くことができる。


常駐のスタッフも数多く置ける。


資金力のない市民が選挙に立候補して、潤沢な資金を持つ候補者と選挙戦を戦うとき、公平な条件での選挙にはならない。


政治家の活動にかかる支出金額に上限を設定して、政治家の正当な政治活動にかかる費用について、国民が分担して負担する仕組みを考えるべきだ。


そして、この公的給付の対象を政党ではなく、政治家個人に変更するべきだ。


誰もが政治活動に積極的に関与できるように、公的給付の対象は選挙で当選した者だけではなく、選挙で一定の得票率を得た者にまで広げるべきだろう。


政治家の競争は資金力ではなく、本人の能力によって行われるべきである。



このなかでもうひとつ問題になるのが企業・団体献金だ。資本力で圧倒的に力の強い大資本が企業献金を行えば、政治が大資本に迎合するものになるのは当然だ。


日本国憲法は参政権を自然人にしか付与していない。法人には参政権を付与していない。


それにもかかわらず法人が多額の献金を行い、政治を誘導してしまうのは、日本国憲法の考え方に反するものである。


政治献金を禁止して、公費から政治家の活動に対する資金支援を行う制度を構築するべきだ。


これと同時に、政治家の活動にかかる支出金額に上限を設定する。


「お金をかけない政治」をすべての政治家に義務付けるのだ。


現状では、「金儲けのために政治家になる」行動が横行している。


政治家が庶民生活とはかけ離れた高額飲食・接待を政治資金で行っているような風習も是正するべきだ。


政治家の仕事は人々のために身を尽くす「公務」であって、人々の上に君臨して、利得を得る「営利活動」ではないのだ。


この点をはき違えた与党政治家が氾濫していることが、この国の政治を歪めている。


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テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも - ジャンル : 政治・経済

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