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「安倍談話」のゴーストライター
「有識者懇談会」のメンツを選んだのは、兼原信克内閣官房副長官補。異能のエ
リート外 交官が、本文起草の大役を担う。

Facta 2015年4月号 DEEP [毀誉褒貶「官邸の黒衣」

http://facta.co.jp/article/201504016.html

戦後70年の外交戦が幕を開けた。これから秋までの半年間は、主要各国が戦争の
記憶を巡って熾烈な攻防を繰り広げる。日本の焦点は夏に出る 安倍晋三 首相の
「戦後70年談話」だが、これを歴史認識問題についての所信が明らかにされるも
のと待ち構えていたら、とんだ肩透かしを食うだろう。

マスコミは「植民地支配と侵略」への「痛切な反省」と「心からのお詫び」を表
明した戦後50年の村山富市首相談話、戦後60年の小泉純一郎 首相談話 の延長線
に「70年」もあると決め込んでいるが、安倍官邸は端(はな)からそんな談話を
出す気はないからだ。むしろ、きりのない歴史論争には ここで終止符 を打ち、
趣向をがらりと変えて、積極的平和主義の号砲を思い切り打ち上げてやろうと手
ぐすね引いている。

2月下旬に発足した首相の私的諮問機関の正式名称は「20世紀を振り返り21世紀
の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会」 (通称「21世紀構想
懇談会」)。20世紀はもはや過ぎ去った昔、21世紀に向けて攻勢に転じようとい
うわけだ。

有識者懇談会は「人間の盾」?

有識者懇の顔ぶれそのものが、そうしたメッセージの第一弾だった。メンバー16
人のうち、歴史家と呼べるのは北岡伸一・国際大学学長(日本近現 代)、中西
輝政・京都大名誉教授(欧州)、川島真・東大准教授(中国)、羽田正・東大副
学長、山内昌之・明治大特任教授(共に中東)の5人。

政権批判とは 無縁の「安心できる先生方」である。残る11人に官邸が託した
ミッションは、歴史論議などではなく、新談話が出た後の批判に反論し、擁護・
宣 伝に務めても らう説明係だ。各人のキャリアを見渡すと、官邸が重視してい
るのは70年前の戦場だったアジアではなく、ビジネス・アメリカ・マスコミ対策
だと分かる。安 倍談話が経済・貿易にマイナスの影響を与えないように、何よ
り米国の理解が得られ、国内世論に無用の論争を起こさないように、政権のため
の 「人間の盾」に なってくれる人たちだ。

一昨年の首相靖国参拝が米政府の「失望」声明によって外交的には失敗に終わ
り、安倍首相は歴史問題で怖いのは、中国・韓国の声高な反発よ り、米国の
たった一言の批判であることを学習した。有識者懇メンバーに中国通は1人、韓
国通はゼロなのに、半数以上が米国通なのは、そのためだ。

これを「バランスの人選」と報じたマスコミの眼は節穴である。確かに一種のバ
ランスはある。例えばマスコミ枠は右の産経、左の朝日を外し、 読売と毎 日か
ら選出。読売の飯塚恵子・アメリカ総局長は、右寄りの同社内ではリベラル派と
目され、片や毎日の山田孝男・特別編集委員はリベラル色の同 社内で右派を 自
任する。だが、それは表面的な色分けにすぎない。

飯塚氏は昨年4月、オバマ米大統領の来日当日に、大統領の単独書面インタ
ビューの特ダネを放った敏腕記者。記事は「尖閣諸島に米国防衛義務 を初めて
明言」「集団的自衛権行使容認を賞賛」「TPP(環太平洋経済連携協定)実質合
意」(現在も交渉中なので、結果は誤報だったが)と、安倍政権 に都合のいい
ニュースのてんこ盛り。疎遠な日米首脳の会談をなりふり構わず後押しする露骨
な偏向紙面だった。

一昨年はケネディ駐日米大使着任後初の単独インタビューも 特報。いずれも安
倍官邸との二人三脚で、相性の悪いオバマ政権とのパイプ役を担った(官邸側の
協力者は、後述の兼原信克内閣官房副長官補だっ たと疑われて いる)。山田氏
は連載コラムで「反原発」を売りものにしているが、主張は「脱経済成長」「被
災地に寄り添え」といった心優しい穏健派。逆に集 団的自衛権や 特定秘密保護
法など他の重要政策では、社論に反して政権支持を公言してきた。2人とも日頃
から、官邸にとって実に頼もしい応援団なのである。 今回の人選は 論功行賞の
一種だろう。

女性枠は飯塚氏の他に、古城佳子・東大教授と瀬谷ルミ子・日本紛争予防セン
ター理事長が入った。古城氏は日本国際政治学会の前理事長で、専門は貿 易・
経済。やり手というより、おじさんに好かれる「お嬢様」タイプである。瀬谷氏
は『職業は武装解除』という著書もある紛争処理現場の叩き上 げ。必要に応 じ
て各国軍と連携し、PKO要員の軍人に教育・訓練も施す。唯一の市民・NGO(非政
府組織)代表というイメージを持たれがちだが、そこが兼原氏の狙い目 で、駐
アフガニスタン日本大使館二等書記官の経歴が示すように、経験知や思考パター
ンは外務省の「身内」も同然と言える。安倍政権の集団的自 衛権行使容認 には
一部異議を唱えるが、「平和は祈るだけでなく行動して構築するもの」という信
念は、積極的平和主義への強力な援軍である。

他の男性メン バーは財界人と 元外交官と学者。本音は村山談話を否定し、従軍
慰安婦の「河野談話」を攻撃し、靖国参拝を念願する「安倍史観」の是非を、バ
ランスよく議論す る陣容とは到 底言えない。
西室座長、北岡座長代理の役割

座長が、なぜ西室泰三・日本郵政社長なのかについても説明が必要だろう。西室
氏は東芝社長在任中、総会屋への利益供与事件や半導体事業の不振で業 績が下
降し続け、東京証券取引所会長時代は大量誤発注事件を起こすなど、経営者とし
ての実績は誰もが首を傾げる。

にもかかわらず名誉職を総なめにしてきたのは、米政財界の意向に最も忠実な経
済人だからである。東西冷戦末期に東芝機械ココム違反事件が起きた。 東芝の
工作機械子会社が旧ソ連に「対共 産圏輸出統制 委員会」(ココム)協定に違反
して原子力潜水艦の性能向上に役立つとされた機械・ソフトを輸出していたこと
が露見し、日米の外交問題に発展。 当時の東芝本 社会長・社長が引責辞任し
た。東芝は米国の制裁を和らげるため、空前の議会ロビーを展開。行き過ぎ批判
で外国ロビー規制法が強化されたほど だ。

西室氏は摘 発時は担当外だったが、前後に本社の電子部品国際事業部長や海外
事業推進部長、取締役東芝アメリカ社副社長を歴任。多額の資金を投じたロビー
活動の渦中 で、米政財界中枢に人脈を築いた。その後、経営者としては失敗し
たのに国際経済人として日米経済協議会会長・日米財界人会議議長をはじめ要職
を渡り歩いたのは、ひとえに米国の七光による。

菅義偉官房長官の粛清人事で日本郵政社長に起用されると、アメリカンファミ
リー生命保険(アフラック)との 提携拡大、日 本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ
生命の3社同時上場前倒しなど、米国の要望に沿った郵政改革を矢継ぎ早に推
進。「やはり米国の代理人か」と噂さ れる。新日中 友好21世紀委員会日本側座
長(中国側座長は唐家?元外相)を務めるのも、米国とのパイプを期待されてと
いう。東芝の役員OBは「西室氏から 歴史の話なん て聞いたことない」と苦笑す
るが、官邸にはその方がありがたい。必要なのは見識ある一家言でなく、米国に
文句を言わせない顔なのだから。

リストの原案を作ったのは、国家安全保障会議(日本版NSC)事務局の国家安全
保障局(谷内正太郎局長・内閣特別顧問)を事実上取り仕切る兼 原信克 局次長
(内閣官房副長官補)である。菅氏が推した西室氏を除くメンバーの大半は、兼
原氏の年来の相談相手か「お友達」で、昨年から個別に面談 し、因果を含 めて
きた。2月25日、有識者懇の初会合で安倍首相が示した議論の大枠と方向性を指
示した「五つの論点」も、兼原氏が書いた。
有識者懇の報告 書は座長代理 の北岡氏が執筆するが、最終的に「参考資料」に
棚上げされ、談話本体の下書きは兼原氏がまとめる。昨年、集団的自衛権行使解
禁を巡る安全保障 法制の有識者 懇で、同じく座長代理だった北岡氏が書いた報
告書が安倍首相に採用されず、今国会に提出された安保関連法案は自民・公明両
党の与党協議で決まったいきさつ を思い起こそう。つまり、北岡氏はあくまで
民間の英知が討議したように見せる舞台で踊る有識者「劇団」の座長代理にすぎ
ない。舞台演出も手掛ける 究極のゴーストライターは、兼原氏という黒衣なの
である。

「自由と繁栄の弧」の原作者

兼原氏とは何者か。山口県出身、東大卒の56歳。外務省の日米安保課長、駐米公
使、総合外交政策局総務課長、駐韓公使、国際法局長を経て、第2次 安倍政権の
発足時に事務次官級ポストの官房副長官補に大抜擢された。前任者より4年次も
若いが、谷内氏が内閣官房参与で官邸入りするために引っ 張った。

谷内氏は外務事務次官在任中、兼原氏を知恵袋として総政局総務課長に起用。当
時の第1次安倍政権で麻生太郎外相が掲げた外交戦略「価値観外交・自 由と繁栄
の弧」は、兼原氏の原作である。これが対中包囲網との批判を浴びたため「地球
儀俯瞰外交」と名前を変え、第2次安倍政権で再起動した。

自由・民 主主義・基本 的人権・法の支配・市場経済など「人類と国際社会の普
遍的価値観」を共有する国や人々と連携し、支援・拡大していく外交方針で、米
国の新保守 主義者(ネオ コン)たちが提唱した。集団的自衛権行使容認も武器
輸出解禁も特定秘密保護法も積極的平和主義も、この外交方針に則って進められ
ている。

兼原「理論」は、『戦略外交原論』という500ページ近い大著で読める。第1次安
倍政権が挫折した後、早稲田大学での講義をまとめた。本来なら話 題の本だろ
うが、そうなっていないのは、ネット上でトンデモ本として炎上した来歴がある
ためだ。

兼原氏は哲人・文人外交官を目指しているのか、 記述は東西の古典や史実の膨
大な引用で溢れているが、多くの間違いや誤読、孫引き、半可通ぶりが列挙され
「高校の世界史の教科書から勉強し直せ」と嘲笑 されたのだ。

本職の研究者だったら本は回収絶版、学者生命を絶たれていただろう致命傷だ
が、しょせんは教養人を気取った官僚の知ったかぶりと見逃されてきた。 気取
り癖 はエリート外交官の習い性かもしれないが、兼原氏は高揚すると、やたら
に「それはカッペ」と連呼する癖がある。「田舎ッペ」と言っているらし いと
分かって 失笑するが、本人が萩市の北にある日本海沿岸の田舎町の生まれ育ち
と知る者は笑えない。

兼原「理論」によれば、人の良心こそ戦略外交の基礎だという。西欧発祥の普遍
的価値をことごとく真っ向から否定し、良心のかけらもないイスラム過 激派組
織「イスラム国」(IS)による人質殺害事件に直面して、その理論的確信が揺る
がなかったのかどうか。

また、兼原「理論」は、戦前の軍国日本を間違った歴史、戦後の経済日本を平和
ボケとしてどちらも否定し、冷戦後の国際貢献に始まる「世界秩序と日 本の役
割」を模索する時代に入って、やっと まともな国家になり始めたと説く。

野心的、挑戦的である。とはいえ、当面の政策は平凡な対米従属路線に服するし
かない。兼原氏は、侵略を認めず反省とお詫びを渋る安倍史観が、第2 次大戦の
戦勝国(米英中露仏)体制への挑戦と受け取られることを何より恐れる。安倍談
話を触媒に米中露が反日連合を組むのは最悪 の展開だが、靖国参拝の外交的失
敗は、それが荒唐無稽とは言えない現実を突きつけた。

試される安倍外交の「歴史力」

首相が有識者に示した「五つの論点」に、悪夢回避の布石が読み取れる。3点目
「日本は戦後70年、米国、豪州、欧州の国々と、また特に中国、韓国 をはじめ
とするアジアの国々などと、どのような和解の道を歩んできたか」。

第2次大戦後、日本はまずサンフランシスコ講和会議で欧米など冷戦期の西側諸
国と和解し、講和体制の枠組みの中で、侵略したアジア諸国と順次個別 に賠
償・借款・経済援助の形で和解を進めた。

まず米豪欧があり、アジアはその 次という2段 論法から、中韓との和解になお
曲折があっても、米欧戦勝国との協調は揺るぎない大前提ですという「媚米」
「媚欧」メッセージが透ける。とはいえ、安倍首相 は初会合後の国会答弁で、
70年談話の狙いが国連改革にあると漏らした。日本の常任理事国入りは、戦勝国
体制の改編を意味する。

論点指示は 「鎧の上の衣」にすぎないわけだ。常理国入りは戦後60年の05年、
小泉政権時代に北岡氏が国連次席大使として挑んだ野望だが、中国がネットで反
対署名を 募り、中国各地で大規模な反日デモを組織して抵抗。米国も難色を示
し、挫折した。

今年は3月メルケル独首相来日の後、4月にワシントンで日米首脳会談、5月はモ
スクワで対独戦勝70年式典、8月15日をはさみ、9月には 北京で抗日戦勝70年式
典が行われ、戦勝国首脳たちはその都度、互いの国を訪問し、勝者の契りを確か
め合う。

兼原「理論」が安倍史観をどこまでお化粧 できるのか、 その「戦略外交」は実
際に世界で通用するのか。70年談話で安倍外交の「歴史力」が試される。





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