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DATE: CATEGORY:植草一秀の『知られざる真実』



安保法制は枝葉でなく憲法破壊を徹底糾弾すべし




安倍晋三政権は憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認する法制を整備しようとしている。


本来、安倍政権は憲法を改定して集団的自衛権の行使を容認する姿勢を示していた。


ところが、憲法改定のハードルは高い。


衆参両院の3分の2以上の賛成がなければ、憲法改定を発議できない。


安倍政権は衆院で3分の2以上の議席を確保したが、参議院では3分の2以上の議席を確保していない。


つまり、現体制で憲法改定を実現することはできないのである。


そこで、安倍晋三氏は、憲法を変えずに、憲法解釈を変えてしまうという行動に突き進んでいる。


これを邪道、けものみちと呼ぶ。


政治権力の暴走を防ぐ防波堤として憲法が定められている。


これを「立憲主義」と呼ぶ。


権力といえども、憲法の前には従順でなければならない。


このことは、憲法第99条に定められている。


第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


憲法擁護義務は国民に課せられているのではない。


国務大臣、国会議員を含む公務員に課せられている。


政治権力が憲法の規定を乗り越えてしまうことは許されていない。

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日本国憲法第9条には次の規定がある。


第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。


「集団的自衛権の行使」は、


「国際紛争を解決する手段として」


「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使」


を行うことを指す。


したがって、日本国憲法は集団的自衛権の行使を明確に禁止しているのである。


政府が明示してきた集団的自衛権に対する解釈については、1972年の政府見解に明記されている。


「わが憲法の下で武カ行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない。」


この政府見解では、日本が自衛権を有することを明記している。


そして、日本が、国際法上の集団的自衛権を有していることについても、


「主権国家である以上、当然」


としている。


しかしながら、


「わが国が国際法上の集団的自衛権を有しているとしても、国権の発動としてこれを行使することは、憲法の容認する自衛の措置の限界をこえるものであって許されない」


としているのである。

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したがって、安倍晋三氏が政治信念として集団的自衛権行使を容認するべきだと考えるなら、憲法を改定して集団的自衛権の行使を容認するべきなのである。


国会に安保法制関連法案が提出され、審議が始まっている。


どのような言い回しを示そうとも、問題の本質は変わらない。


日本の主権者の判断としても、各種調査は、安保法制関連法案の可決成立に反対多数であることを示している。


国会でのらりくらりと答弁を続けていても、最終的に法律が整備されてしまえば、拡大解釈に次ぐ拡大解釈によって、行動はエスカレートしてしまう可能性が高い。


現に、憲法があるのに、その憲法に反する法律を押し通そうとする政権であるから、何をやるかまったく油断はできないのである。


安倍政権は今国会での法律成立を断念するべきである。


このような重大法案を国会の数の力で押し通すことは許されない。


そして、その決着の鍵を握るのは、実は野党の対応なのだ。


維新の党の松野頼久新代表は、5月20日の党首討論で、今国会での法律成立断念を呼びかけたが、この言葉が本当のものであるのかどうかが問われるのである。


野党が国民世論の喚起を促せば、暴走安倍政権といえども強引な強行採決はできないはずである。


野党が口先だけでなく、体を張って法律制定を阻止する姿勢を示すのかどうか。


主権者はこの点を監視しなければならない。





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