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米国も侵略を宣言して侵略することはなく、その侵略を直視せず日本人は集団
的自衛権を語れない

2015.07.23  櫻井ジャーナル

http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201507230000/

他国を侵略する場合、正直に侵略すると宣言する国はないだろう。相手が先に手
を出した、自国民を助ける、最近では「人道的介入」をアメリカは演 出、NGOも
盛んに使っている。日本は「積極的平和」だ。

前回も書いたが、アメリカが「人道」を侵略の口実に使い始めたのはユーゴスラ
ビアを先制攻撃したころ。1980年代の前半には「プロジェクト・デ モクラ
シー」を開始、「民主化」を掲げてターゲット国を破壊していた。

そうした工作が本格化する前、ポーランドの反体制労組「連帯」が登場して「民
主化」が掲げられた。1970年代にアンブロシアーノ銀行が破綻、バ チカン銀行
を巻き込んだ不正融資が発覚し、その資金が流れていった先に「連帯」があるこ
とが後に判明する。

この労組には資金だけでなく、当時のポーランドでは入手が困難だったファクシ
ミリのほか、印刷機械、送信機、電話、短波ラジオ、ビデオ・カメラ、 コピー
機、テレックス、コンピュータ、ワープロなどが数トン、アメリカ側から密輸さ
れたという。(Carl Bernstein, "The Holy Alliance", TIME, February 24
1992)「連帯」の指導者だったレフ・ワレサも自伝の中で、戒厳令布告後に「書
籍・新聞の自立出版所のネットワークが一気に拡大」したと認めている。外 部
からの強力な支援がなければありえない話だ。

日本では理想化されて語られた「連帯」だが、CIAとの関係を隠すべき事実だと
は考えていなかったようで、公然とつきあう。そのため、西ヨーロッ パでは冷
めた目で見られていた。

アメリカは「偽旗作戦」もよく使ってきた。バチカン銀行のスキャンダルで非公
然結社のP2が明るみに出るが、この結社は「NATOの秘密部隊」、 グラディオと
表裏一体の関係にあったと言われている。このグラディオはイタリアの情報機関
と連携しているが、その背後にはアメリカの情報機関が存 在、1960年代から80
年頃までの期間に「極左」を装って爆弾攻撃を繰り返していた。いわゆる「緊張
戦略」だ。

歴史を振り返ると、1898年にキューバのハバナ港でアメリカの軍艦「メイン号」
が爆沈した事件も「偽旗作戦」だったと疑う人は多い。アメリカは スペインが
爆弾を仕掛けたと主張、「米西戦争」を開始、ラテン・アメリカを植民地化す
る。フィリピンもこの戦争で手に入れた。

ベトナムへ軍事介入する口実として使われたのが1964年の「トンキン湾事件」。
アメリカの駆逐艦が北ベトナムの魚雷艇に砲撃されたとアメリカ政 府は宣伝、
1965年2月には「報復」と称して本格的な北ベトナムに対する空爆を始めている
が、この事件の背後にはOPLAN34Aと呼ばれる計 画が関係していた。

これは1964年1月に大統領から承認されたもので、統合参謀本部直属の秘密工作
部隊SOGが編成された。メンバーは陸軍のグリーン・ベレー、海 軍のSEALs、そし
て空軍特殊部隊の隊員。同年2月に破壊工作をスタートさせた。

その工作の一環として1964年7月に南ベトナムの哨戒魚雷艇が北ベトナムを攻
撃、北ベトナムが派遣した高速艇が到着したときには姿を消してしま い、そこ
には情報収集活動をしていたアメリカの駆逐艦、マドックスがいただけだった。
攻撃の翌日、SEALsの隊員に率いられた南ベトナム兵約 20名がハイフォン近くの
レーダー施設を襲撃、その報復として北ベトナムはマドックスを攻撃したと言わ
れている。マドックスを攻撃した北ベトナム の艦船は米軍機などの攻撃で撃沈
された。

アメリカでは北ベトナムからの先制攻撃で戦闘になったとされ、議会は「東南ア
ジアにおける行動に関する議会決議(トンキン湾決議)」を可決、 1965年2月か
らアメリカ軍は「ローリング・サンダー作戦」を開始、ベトナムへの本格的な軍
事介入になる。

 アメリカの好戦派が1963年の後半にソ連を先制核攻撃する予定だったことは本
ブログで何度も書いてきた。その直前、彼らはキューバ軍を装って 軍事攻撃や
アメリカの都市での爆弾攻撃、最終的には無人の旅客機をキューバの近くで自爆
させて撃墜を演出し、「報復」としてアメリカ軍が直接、 キューバへ軍事侵攻
する計画を立てていた。これが「ノースウッズ作戦」。ジョン・F・ケネディ大
統領に阻止されたが、計画は存在した。なお、ケネ ディ大統領は1963年11月に
暗殺されている。

最近の例では、イラク攻撃の前にアメリカ政府は「大量破壊兵器」という大嘘を
メディアに広めさせ、リビア、シリア、ウクライナでは「民主化」や 「人権」
を侵略の口実に使い、戦闘員は外部から投入している。トルコから大量の物資が
運び込まれ、ISの手にわたっていることも判明している。 「安全保障関連法
案」を議論する場合、「アメリカの戦争」という表現が使われているようだが、
「アメリカの侵略」とすべきだ。国防、防衛、自衛と いった類いの話ではない。

その侵略プランのベースにあるのが1992年に作成された「ウォルフォウィッツ・
ドクトリン」で、アメリカが「唯一の超大国」であり続けるために 潜在的ライ
バルを潰すとしている。アメリカの支配層が世界の覇者として君臨する仕組みを
作るという意味で、この法案はTPP/TTIP/TISA とリンクしている。



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