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山本太郎が安倍首相の「ネタ元」リポートを暴露! 安保法制はすべて米国のリ
クエストだったという証拠が

2015.08.21

http://lite-ra.com/i/2015/08/post-1410-entry.html

参議院で安保法案についての審議が再開したが、19日の特別委員会でいきなり山
本太郎議員の“爆弾”が炸裂した。「永田町ではみんな知っているけ ど、わざわ
ざ言わないことを質問していきたいと思います」と切り出し、一連の法案が実は
というか案の定、すべてアメリカからのリクエストだったこ とを暴露してし
まったのだ。

きっかけは、中谷元防衛相が7月30日の委員会で、福島みずほ議員から「なぜ米
軍に対して弾薬の輸送や提供ができるようにするのか」と問われ、 「『米軍の
ニーズ』があるから」と答えたことだった。米軍のニーズ、つまりアメリカの要
請に応えるかたちで安倍政権は国のかたちを変えようとして いると認めたわけ
だ。しかも、弾薬の輸送・提供は法律的には核兵器も含まれる。それらはすべ
て、アメリカからの要請だったというのである。
山本議員は、この答弁に追い討ちをかけるかたちで、かの有名な「アーミテー
ジ・ナイリポート」を持ち出してきた。言わずと知れた、ジャパンハンド ラー
の代表格、リチャード・アーミテージ元米国務副長官とジョセフ・ナイ元米国防
次官補(ハーバード大学教授)らが書いた日本の安全保障政策など に対する“提
言”だ。

このリポートは過去2000年、2007年、2012年に出され、日本の防衛政策に大きな
影響を与えてきたと言われている。問題はその最新版、 2012年に出された第3次
アーミテージ・ナイリポートだ。山本議員はリポートの内容を抜粋したパネルを
示してこう迫った。

「これを見ると、今回の憲法違反の閣議決定から憲法違反の安保法制まで、ほと
んどすべて、アメリカ側のリクエストによるものだということが、よく わかり
ますね」

例えば、と言ってリポートの一部日本語訳を読み上げた。

「〈皮肉なことに、日本の国益保護に必要なもっとも過酷な状況下では、米軍は
自衛隊と日本の集団的防衛を行うことは、法的に禁止されているのだ。 日本の
集団的自衛権禁止を変えることは、こうした皮肉のすべてを解決するだろう。
(中略)集団的自衛権の禁止は同盟にとって障害だ〉と書かれてい ます」

これまでの国会審議を聞いていて、国民がいちばん疑問に思っているのが、なぜ
いま集団的自衛権行使が必要なのか、ということだ。自民党がつくった アニメ
「教えて!ヒゲの隊長」を見てもさっぱりよくわからない。正解は、山本議員の
言うように、「アメリカのリクエスト」だったからということな のか。

 実際にリポートを読むと誰もがビックリするようなことが書かれている。日本
が民主党政権だった2012年に出された報告書なのに、最近の安倍首 相が口にし
ている言葉の数々が散りばめられているのである。

 例えば、安全保障問題を考える前提について同リポートは〈中国の台頭と核開
発と敵対的意図を持つ北朝鮮の存在、そしてグローバル化した世界と、 ますま
す複雑化する安全保障環境……〉と、まさに昨今の国会で耳にタコができるほど聞
かされているフレーズが、ソックリそのまま出ている。あるい は、〈日本と米
国は、民主主義、法の支配、開かれた社会、人権、自由で開かれた市場といった
価値へのコミットメントを共有している〉と、これも安 倍首相が好んで使う言
い回しだ。安倍首相や安倍政権の「ネタ元」を見るかのようだ。その上で、リ
ポートは日本に何を要求しているのか──。

 まず、安倍首相が日ごろから「一国平和主義でいいのか」と批判している専守
防衛について「時代錯誤の抑制」だと牽制している。

〈日本の自衛隊は、現在日本でもっとも信頼されている組織であるが、時代錯誤
の抑制を軽減できれば、日本の安全保障の向上に大きな役割が果たせる だろう〉

 早く専守防衛を捨て、いわゆる“積極的平和主義”に転換すべきだと言っている
ようにも読める。もっとも分かりやすいのが、次の部分だ。

〈ペルシャ湾は極めて重要なグローバル貿易とエネルギー輸送の中核である。イ
ランがホルムズ海峡の封鎖をほのめかす言葉を発した場合、日本は単独 で掃海
艇を同海域に派遣すべきだ〉

 驚くだろう。安倍首相がなぜ、遠く離れたホルムズ海峡の掃海にあそこまでこ
だわっていたのか、その答えがここにあったというわけだ。それだけで はない。

〈陸上自衛隊は価値あるPKO活動や災害復興支援に携わる一方、陸海空軍連携の
拡大について検討するべきだ。陸上自衛隊を敏捷で配備可能な軍隊に 方向修正
することは、将来の編成に向けて同盟をより有意義にするだろう〉
〈日本の特殊作戦部隊の能力を加速させ、相互運用性を向上させる必要がある〉

 先日、沖縄で墜落した米軍ヘリに同乗していた自衛官が、陸上自衛隊の特殊部
隊だったことがわかっている。なぜ、米軍ヘリに陸自の隊員がと思った 人も多
いはずだ。その答えも、このリポートの中にあったのだ。

その他、〈防衛上の秘密情報を保護するための法的能力をもっと強化するべき
だ〉〈日本の現在の法体制は米国標準と同レベルではない〉とあり、これ は明
らかに特定秘密保護法の制定を促したものだろう。あるいは、武器輸出三原則の
緩和を強く求め、アメリカ以外のアメリカの同盟国にも技術の輸出 をするよう
にするべきである、とも書いてある。いずれも安倍政権になってバタバタと実現
していることばかりだ。

 リポートはさらに安倍首相が常に口にしているのと同じ言葉使いで日本のPKO
活動を賞賛したうえ、〈日本は必要であれば武力を行使してでも、 (中略)平
和維持軍を守れるよう、法的権限を与えることを推奨する〉とか〈PKOへのより
充実した参加のために、日本は自国のPKO要員(自衛 官)が必要に応じて一般人
や他国のPKO要員を保護できるよう、法的許容権限を拡大する必要がある〉など
とも書かれている。まんま、安倍政権が提 案している安保法案そのものではな
いか。繰り返すが、これは2012年の報告書だ。

 山本議員は、こうした事実のいくつかを指摘しながら、「これらはほとんどす
べて、今回の安保法制や日米の新ガイドラインに盛り込まれている」と 岸田文
雄外相に見解を求めた。岸田外相は「ご指摘の報告書はあくまで民間の報告書で
コメントする立場にないが、新ガイドラインや法案は報告書を念 頭に作成され
たものではない」と一蹴する。あくまでも民間人がつくったリポートで、そんな
ものを安倍政権が参考にするわけがないという口ぶりだ。

 ところがである。山本議員の第2の矢が放たれた。なんとこのリポートの概要
が海上自衛隊幹部学校のホームページにいまも掲載されていると暴露し たの
だ。民間のとるに足らないリポートなら、なぜその内容を自衛隊幹部に周知させ
なければならないのか。山本議員の追及に、中谷防衛相はタジタジ になってこ
う答弁した。

「防衛省は幅広く世界のいろいろな方々から考え方も含めて情報収集、研究、分
析をしています。平和安全法制はあくまでも我が国の主体的な取り組み として
つくったもので、このリポートを念頭に作成したものではありませんが、政府は
引き続き研究、検討しているわけで、結果として重なっている部 分もあると考
えておりますが、あくまでも我が国の主体的な取り組みとして、研究、検討して
つくったものであるということでございます」

 語るに落ちたとはこのことだ。一国の安全保障政策はその国が主体的な取り組
みとしてつくるのは当たり前だろう。わざわざそんなことを繰り返し2 度もこと
わらなければならないほど、法案とリポートは「重なっている部分」が多いとい
うことだ。山本議員はこれを「『完コピ』っていうんですよ。 こういうの。
『完全コピー』」と声を荒らげた。「アメリカ軍の要請、ニーズには憲法を踏み
にじってでも、国民の生活を破壊してでも、真摯に全力で 取り組むって、こ
れ、どういうことなんですか? これで独立国って呼べますか? 完全コントロー
ルされてんじゃないか。誰の国なんだ、この国は、ってことですよ」とも。

 実は、質問の冒頭で山本議員はある1枚の写真を提示していた。首相官邸の
ホームページからの引用だという。複数の外国人が並んでいて、そのうち のス
キンヘッドの一人が安倍晋三首相とにこやかに握手をしている。これが、リポー
トの作者、リチャード・アーミテージ氏で、ジョセフ・ナイ氏の後 ろ姿も写っ
ている。安倍政権が憲法違反の解釈改憲を閣議決定した直後に、官邸に表敬訪問
に来たというのだ。あまりにわかりやすい構図ではないか。

リポートは冒頭で日本にある選択を強く迫っている。〈世界が複雑化する中でさ
まざまな課題を解決するためには日米が一流国家としての視点を持つこ とが必
要だ。米国が一流国家であり続けることには寸分の疑いもないが、日本は決定し
なければならないことがある〉と前置きした後、〈日本は一流国 家であり続け
たいのか、それとも二流国家になり下がって構わないのか? 日本の国民と政府
が二流のステータスに甘んじるなら、この報告書は不要だろう〉と。要は、日本
が一流国家になりたいなら、言うことを聞けと言っているの だ。

 まさに、安倍首相が安保法制に前のめりになっている理由がここにある。安倍
首相は、第2次政権が発足して初めて訪米した2013年2月、アーミ テージ氏らが
所属するシンクタンク(戦略国際問題研究所=CSIS)で「日本は戻ってきまし
た」というタイトルで講演したことはよく知られてい る。動画と全文の文字起
こしがこれまた官邸のホームページにアップされている。ぜひ、読んでみて欲し
い。安倍首相は冒頭でハッキリこう述べている のだ。

「(前略)アーミテージさん、ありがとうございます。グリーンさん、ありがと
うございました。そして皆さんがたが本日は、おいでくださいましてあ りがと
うございます。
 昨年、リチャード・アーミテージ、ジョセフ・ナイ、マイケル・グリーンやほ
かのいろんな人たちが、日本についての報告を出しました。そこで彼ら が問う
たのは、日本はもしかして、二級国家になってしまうのだろうかということでした。
 アーミテージさん、わたしからお答えします。日本は今も、これからも、二級
国家にはなりません。それが、ここでわたしがいちばん言いたかったこ とであ
ります。繰り返して申します。わたしは、カムバックをいたしました。日本も、
そうでなくてはなりません」

ジャパン・イズ・バック。そうなのだ、アーミテージ・ナイリポートの実現は、
すでにこの時点でアメリカ人を前に安倍晋三が約束してしまっていたの だ。時
系列を整理してみよう。

・2012年 8月 「アーミテージ・ナイリポート」が発表される(アメリカからの
指令)
・2012年12月 第2次安倍政権が発足する
・2013年 2月 安倍首相がCSISで「日本は戻ってきました」と講演する
・2013年12月 特定秘密保護法が成立する
・2014年 4月 武器輸出三原則を緩和した「防衛装備移転三原則」を閣議決定
・2014年 7月 集団的自衛権行使容認を閣議決定
・2014年 7月 閣議決定から2週間後、アーミテージ氏らが官邸を表敬訪問(よく
やった!)
・2015年 4月 安倍首相が米上下院合同会議で安保法制の成立を約束
・2015年 5月 安保法制に基づく関連法案を閣議決定

 もう、おわかりだろう。すべての始まりは、アーミテージ・ナイリポートだっ
たのだ。「国民の命と財産を守るため」とか「日本を取り巻く安全保障 環境が
厳しさを増している」とか、安倍首相は二言目にはそう語るが、なんのことはな
い。アメリカのジャパンハンドラーのみなさまに気に入ってもら いたいだけな
のだ。こんな後ろ暗い法案はとっとと廃案にして、今こそもっとまじめに真剣
に、日本の安全保障について考えるべきときではないか。
(野尻民夫)





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