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DATE: CATEGORY:植草一秀の『知られざる真実』


イタリアで進行している草の根民主主義革命


3月4日に実施されたイタリア総選挙では、草の根民主主義政党の「五つ星運動」が第一党に躍進した。


 


単独過半数を確保する政党がなかったため、連立協議が行われてきたが、第一党に躍進した「五つ星運動」と右派政党の「同盟」を基軸とする連立政権が樹立される可能性が強まっている。


 


日本経済新聞などは、イタリア総選挙で中道右派連合が勝利したかのような報道を示してきたが、単一政党では「五つ星運動」が第一党に躍進したのであり、このことを正確に伝えない同紙の報道は偏向している。


 


日経新聞などは、中道右派連合を形成するひとつの政党に過ぎないフォルツァ・イタリアを率いるベルルスコーニ元首相を勝利者であるかのように報じたが、事実認識として正しくない。


 


ベルルスコーニ氏が率いるフォルツァ・イタリアは獲得議席数でも主要提携相手の同盟を下回っており、ベルルスコーニ氏が連立政権樹立を主導することは当初から困難な情勢だった。


 


中道右派連合のなかでは「同盟」が最大議席を獲得した。


 


同盟のサルビーニ党首は昨年10月に中道右派が過半数議席を得られない場合には五つ星運動の創設者であるグリッロ氏に電話すると述べていたと報道されていた。


 


本ブログ、メルマガでは、3月5日付記事


 


「草の根民主主義政党五つ星運動が伊第一党に」


https://bit.ly/2FfrSxt


 


「壊憲原発阻止・国民生活再建の日本政治を創る」


http://foomii.com/00050


 


に、「イタリアにおいて、草の根民主主義の「五つ星運動」が主導して新政権を樹立する可能性が浮上している」と記述してきた。


 


「五つ星」と「同盟」による連立政権樹立の可能性は選挙直後から存在していた最有力のシナリオであったのだ。


 


「五つ星運動」に関しては、本ブログ、メルマガにおいて、昨年11月28日に参議院議員会館で開催された「五つ星運動」リーダーのリカルド・フラカーロ・イタリア下院議員による市民との対話集会について記述している。


 


『政治の既成概念根底から覆す五つ星運動の夢』


https://goo.gl/oFkB22


 


この「五つ星運動」が政権樹立の一歩手前まで駒を進めている。


 


五つ星運動は始動から8年で、国政掌握を視野に入れるところにまで成長した。


 


このことが、全世界の市民に与えるインパクトと夢は計り知れない。


 


メディアは五つ星運動をポピュリズム政党=大衆迎合主義政党と表現するが、差別と偏見に満ち溢れた表現である。


 


正しく表現するなら「民主主義政党」、あるいは「草の根民主主義政党」ということになる。


 


主要国の政治は、少数の経済的支配者によって支配されてしまっている。


 


支配者はグローバルに活動を展開する巨大資本である。


 


巨大資本が主要国の政治を支配し、巨大資本の利益を極大化するための政治を実行している。


 


この支配者にとっての天敵は「民主主義」である。


 


1%対99%という表現があるが、支配者は1%勢力であり、1%勢力にとっての最大の妨害者が99%勢力、すなわち民主主義勢力なのである。


 


1%の支配とは、一握りの巨大資本による支配のことであり、この状況を生み出すのが資本主義である。


 


資本の力がすべての支配の原動力である。カネの力=資本の力によって社会のあり方が規定される。これが「資本主義」である。


 


この「資本主義」にとっての天敵が「民主主義」なのだ。


 


「民主主義」が適正に機能するなら、「民主主義」で主導権、支配権を確保するのは、本来99%の側であるはずだ。


 


だからこそ、大資本=1%勢力にとって「民主主義」は天敵なのだ。


 


このために、本当の意味の「民主主義勢力」を誹謗中傷する表現が用いられる。


 


「五つ星運動」は「民主主義勢力」と表現するのが適正であるが、この適正な表現を用いれば、この勢力が益々支持を集めて、勢力を拡大する恐れが高まる。


 


そこで、「民主主義勢力」とは呼ばずに「大衆迎合主義」=「ポピュリズム政党」と表現しているのだ。


 


堕落し、腐敗し切っている日本政治の刷新を考えるとき、イタリア五つ星運動の躍進は、最大の精神的支援要因になる。


 


五つ星運動は、公共飲料水、持続可能な公共交通、脱成長の経済、環境保護主義、インターネット、の五つの課題を掲げている。


 


そして、五つ星運動は、既存の政治勢力、政党と距離を置いている。


 


その出発点は、地域の問題を地域の主権者が考えるということだった。


 


地域の問題点を洗い出し、その解決策を探った。


 


その解決策を政治勢力に提示したが、彼らは、地域住民の提案に正面から向き合うことをしなかった。


 


現実に直面して彼らは行動を変えた。


 


「誰かが変えてくれる」から「自分たちで変える」に方向を転換したのだ。


 


その成功の一つの通過点として今回の総選挙結果がある。


 


単独過半数を獲得していないから、まだまだ紆余曲折が予想される。


 


1%勢力の猛反撃も予想される。予断を許さない。


 


しかし、草の根民主主義が大いなる成果を生み出しつつある現実を、私たちははっきりと認識する必要がある。私たちに大いなる夢と希望を与える現実が生み出されている。


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