FC2カウンター


最近の記事


FC2ブログランキング


プロフィール

Author:鳥居祐一
FC2ブログへようこそ!


最近のコメント


最近のトラックバック


月別アーカイブ


カテゴリー


カレンダー

10 ≪│2009/11│≫ 12
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

Excite自動翻訳


♪BGM

©Plug-in by PRSU


FC2ブログランキング


ブロとも申請フォーム


FC2ブログ(blog)
DATE: CATEGORY:オルタナティブ通信

21世紀の戦争


書物短評 : 岩下明裕 「中・ロ国境4000キロ」 角川書店
            同  「国境・誰がこの線を引いたのか」 北海道大学出版会



 大学教授にしては珍しく自分で現場を踏破し調査した上で論文を書いている。著者は学者とルポライターの「真中」を歩いて行きたいと抱負を語っている。北海道大学らしい「異端」の学者である。

本書にはロシアと中国の国境問題を巡る長い議論、外交交渉、そして現地の実況が詳細に書かれている。「市販で手に入る情報」の範囲では、最高レベルの調査報告となっている(注1)。

 一読し、データとしては新規発見は何も無かったが、ユーラシア全域を見る時、余りに多くの民族が散在し生活しているため、「どこの地域が、どの民族の領地・生活地」と言う形で、民族と土地を「一体化させ認識する事が不可能」である事が、本書から分かってくる。

つまり1つの民族が1ヵ所に集住し他の民族を「排除し」、民族国家を作る事が「元々、不可能」である事が分かる。

国家という存在が「最初から存在不可能」である事が、事実問題として理解せざるを得なくなる。逆に言えば、「国家によって統治されている」近代社会「全体そのもの」が、フィクションであり、虚構である事が分かる。


 ここにユーラシアの「力学」が存在する。


 様々な民族が寄せ集められた古代ローマ帝国では、「分割統治」が、その帝国維持のための帝王学となった。地域ごとに分かれて暮らしている諸民族を「意図的に対立させ、抗争・紛争を起こさせ」、相互の力を弱体化させ、その紛争の仲介者・調停役として「帝国の支配力・権威」を確立しようとした。

しかしユーラシアの諸民族は、実は「分割統治」が不可能な程、既に完全に「分割され過ぎ」雲散霧消状態にある。既に崩壊し液体化している豆腐を4つ切り、8つ切りにする事自体が、不可能である。

 ここではネガティヴ・キャンペーンとしてしか「民族は存在し得ない」。身近な他のA民族を「排除し、差別し、攻撃を加え」る事によってのみ、「A民族ではない自分達B民族」と言う形で、「アイデンティティが自覚可能」になる。

A民族とB民族には、それぞれ独自の宗教・習慣・文化があり、それが余りに「お互いに相容れない」ために、戦争が起こるのではない。日米欧の社会同様、工場で大量生産された商品に囲まれ、類似の生活様式を実行しているために、「独自の宗教・習慣・文化」は実は元々、存在し得ない状況になり、既に相互の独自性は崩壊し雲散霧消化している。「そこで、まず何でも良いから戦争を起こし」、「戦争を起こしている宿敵であるから、お互い相容れない部分がある、ハズデアル」事になり、その後に「お互いの違いを捏造し」、「こんなに違う文化があるのだから、対立し、戦争が起こっている」と自己満足的に自分を説得する作業が行われる結果になる。

イラク戦争の際、イスラムとキリスト教の違いを詳細に論述したCIA工作員=サミュエル・ハンチントンの書物「文明の衝突」が、大々的に売り出され、「読まれねばならなかった」理由は、ここにある。

戦争によってこそ、自己のアイデンティティが「自覚可能になり」、国家と民族が「存在し得る」ようになる。

戦争こそ、「自分が人間であり、国家と民族が存在する事の唯一の証明」となる。

戦争によってこそ、人間と国家と民族が「生産される」。

 911テロが、そうであったように、「まず大事件が起こったと言う情報が、天から降り注ぐように、マスコミによって」浴びせられる。

「おそろしく遠い所から、大事件が降って来る」。

その後、それが「自分達の民族に対する、他の民族の攻撃である」と、「意味付け」が行われる。

そこで、自分が「その民族の一員であった」と初めて「自覚行為」が行われ、自民族を守るために戦争が開始される。

本当は、大事件は「自分とは何の関係も無く、どうでも良い事である」。

本当は、「自分が攻撃を受けた民族の、本当のメンバーなのか、どうか、良く分からない」。

真実は、「自分達の民族への攻撃が、本当に行われたのかどうかも、分からない。映像で攻撃シーンを見たが、ハリウッドで撮影された映像かも知れない」。

しかし、戦争に行って、死ぬのである。

これが21世紀の「戦争の姿」である。

この背後には、「独自」の民族・宗教・習慣も、自民族の「ために生きる」という人生の目的も、「実は何も無く」、毎日「独自性の無い大量生産品を使う生活があり」、何の「ために生きるのか」という人生の目標も意義も無く、ただ働き食事をし生きているだけの「空虚なロボット人生」がある。

この「空虚」さから逃げるために、「どうしても天皇・民族・宗教・戦争」等々を捏造し、自分の人生に意味があり、自分が特定の国家・民族に所属していると「思い込む」必要が出て来る。現実を見ず、フィクションの中に「生きる必要」が出て来る。

そこには、人生の真の「意味・目的」について真摯に考える事からの逃亡「のみが存在する」。

麻薬に逃亡する「人間的な弱さ」、「人間としての卑屈さ、卑怯さ、腐敗」こそが、天皇・民族を「必要」とし、戦争を「必要」とさせる。

21世紀に世界各地で起こる戦争は、全人類規模で起こりつつある、この麻薬への「逃亡」、「人生の無意味化、人間性の腐敗」によって引き起こされる。


注1・・・中ロ国境を巡る、長く紆余曲折のあった外交交渉の、この記録を詳細に見るとき、イルミナティ陰謀論者のように「単純に」、「陰謀により中ロで戦争が起こる」と声高に主張する事が「完全なデマゴギー」である事が分かる。戦争は、複雑な政治経済メカニズムで引き起こされる。「車は、ガソリンで走る」とイルミナティ陰謀論者は絶叫している。ガソリンが、どのようなエンジン・システムの中で爆発し、そのエネルギーが、どのようにタイヤに伝達されて行くか、そのメカニズムにはイルミナティ陰謀論者は決して触れない。「無知の代名詞であるイルミナティ陰謀論者」には、そのメカミズムが見えていない。「全ては、イルミナティの陰謀!」で済めば、それ程、簡単な事は無い。イルミナティ陰謀論は空想の中で捏造された、無知の代名詞である。

テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも - ジャンル : 政治・経済

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)



copyright © 自公政権打倒のために集まろう all rights reserved.Powered by FC2ブログ